スパボの掬い場

ラブライブ!への大好きを叫ぶ場所。

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ただ大好きな、優木せつ菜へ。ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3話『大好きを叫ぶ』

 

皆さんこんにちはスパボです。紆余曲折ありましたが、なんとか生きてます。3話ひたすら最高でした。点をどうやって付けたらいいか分からないですね……

 

いや3話、最高…?最高なんて言葉で片付けられる……?それだけ僕にとってどうしようもなく大切な話。

 

なんか上手く前置きが書けませんね……

ただ言えることは、これは大切な話への大好き、そんなものをぶつけたもので、感想?でもなくて、ラブレターみたいなものかもしれません。

 

 

・人の大好きも大切な子

 

アニメにおける中川菜々ちゃんの特徴といえば、眼鏡でしょうか。なにを思っているのか分からない、彼女の鉄仮面さを助長するような眼鏡。

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僕は彼女の目が好きです。表情豊かな、目だけでも感情が伝わるような、大好きを素直に伝えてくるような目、秘めた情熱を宿したようなハイライト。眼鏡はそれらをすっかり覆って、隠そうとしてしまう。

 

それはせつ菜であることを周囲に隠すためでもあり、同好会の皆んなから隠れる一環でもあり、自分自身の大好きを、そこに押さえつけておくためでしょうか?

眼鏡の奥の瞳からそこまで読み取ることは出来ませんが。

 

大好きを叫びたかった私が他の人の大好きを傷つけた

私がなりたい自分は、こんなのじゃなかっただから……

TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3話より

大好きを叫ぶ、そんな願いを持つほど、自分の大好きが大切な子が、その目の奥に、自分の大好きを押し込めている。そんな苦しみだけが彼女の鉄仮面から伝わってきます。

 

自分の大好きを見つからないように、心の奥底に隠している。その姿は普段から自分の好きなものを、キャリーケースの中に押し込めている様子からも見て取れます。

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(衣装だけではなく、色んな好きが詰まった場所……暗い場所に隠していなければいけない苦しみも一緒に詰まっているのでしょうか)

家でキャリーケースの中に、自分の好きなものを隠していなければいけない状況、事情は分かりませんが、きっと彼女は大好きを言いたくても言えない、否定されてきたような日々を過ごしたのでしょう。 

 

だから大好きを叫びたいという願いを持っている。そして苦しみを知っているから、他人の大好きも、大切だと思える優しさを持っている。

動物の放飼は校則で禁じられています

 

その子は天王寺さんのことが大好きみたいですね。名前、なんて言うんですか?

TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3話より

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その優しさは出会ったばかりの猫と、生徒にも向けられ、その子達の為の役員すら作ってしまう。

 

そんな彼女だから自分の大好きが、誰かの大好きを傷つけた時、誰よりも自分のことを許せなかっただろうし、自分の大好きに失望したと思います。

 

誰かの大好きを否定するなら、自分の大切な大好きを押し込める選択が出来る。それがどれだけ苦しくても、誰かの大好きを守るためならやってしまう。それが中川菜々という人間なのでしょう。

・誰かを大切にする中で

 

優木せつ菜は凄いスクールアイドルで、中川菜々は優秀な生徒会長だと思います。

 

全校生徒の名前を覚える。それが生徒会長として当然だから。模試もいい点を取る、それが両親に期待されるであろう菜々という娘だから。

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彼女は、何をすれば期待に応えることが出来るかを考えられる賢い子で、それを実行出来る為の能力と、努力が出来る。

そしてそれを嫌いじゃないと思える。誰かの期待を汲み取り、応えようと必死になれる。それはスクールアイドルになっても変わらないのです。

 

ラブライブ!に出ていい線までいけると、大勢の人に思わせ、期待させた。それほどの実力と魅力を持ったスクールアイドル。

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大好きだから始めたスクールアイドルをやる中で、注目されて、向けられる期待はどんどん大きくなっていって、それでも彼女は答えようとしました。

当たり前ですよ!スクールアイドルにとって、応援してくれる皆んなが一番大切なんですから

TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2話より

大好きを押し付けることになってしまった、後輩が言った言葉。

きっと同じ気持ちなのでしょう、せつ菜ちゃんも自分に大好きを向けてくれるファンのことを、大切に思っている。

 

なればこそ、彼女はその期待に応えたいと必死になる。グループを結成し、競争を勝ち抜く、一つの色に纏まってラブライブ!を目指す。

それがきっと向けられた期待に報いる、一番のやり方だから。

 

そして彼女は大好きを押し付けてしまった、他人の期待に応えようと必死になって、知らぬ内に、他人の大切なものを傷つけてしまった。

 

そして同好会はバラバラになって、みんなの期待にも応えられなくなった。

そして自分自身の大好きを嫌ってしまった。

 

優木せつ菜という姿は、中川菜々の大好きを体現するもの。菜々ちゃんが大好きを叫びたいと思ったからこそ生まれた、彼女の大好きの形そのものです。

 

だから彼女はせつ菜にお別れをしました。けじめのステージもやった、衣装も隠して、自分自身の大好きを、同好会の皆んなに見つからないように、中川菜々の奥に押し込めた。優木せつ菜というスクールアイドルを、消してしまおうとした。

 

最後のステージが、自分のいない新しい同好会の為になる願いだけ残して。

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でもいなくなるわけがない。消し切れるわけがない。だって優木せつ菜は、中川菜々の大好きなのだから。どれだけ菜々ちゃんが嫌って、奥に隠したって、この子の中で確かに燃え続けてる。

 

そしてその大好きは、誰かに新しい大好きを生んでいます。

・ただ、優木せつ菜が大好き

彼女が嫌ったせつ菜ちゃんは、ちゃんと1人の少女に始まりを与えていました。

 

寝不足になるくらいスクールアイドルの動画を見漁っても、せつ菜ちゃんが一番だと言ってしまえる。せつ菜ちゃんを探して、夢を応援するものになりたいと願えるくらいせつ菜ちゃんのことが大好き。

 

恥ずかしくなるくらい、真っ直ぐで、だからこそ共感できる、せつ菜ちゃんを大好きだと言ってくれる、ときめきに素直な子。

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彼女がどれだけ嫌っても、隠しても、侑ちゃんのあり方は、彼女の大好きをずっと肯定していたと思います。

大好き、ときめき、始まり、侑ちゃんの今までを突き動かしてきた、スクールアイドルせつ菜ちゃんは彼女を動かす原動力そのもの。

 

それでも、そんな侑ちゃんが大好きを向けてくれる自分のことを、自分本位な我儘とすら言ってしまう。

誰かの大好きを傷つけ、否定しまった、自分の大好きをどうとでも言ってしまう姿は、余りにも救われません。

 

彼女の他人の大好きを思う心は、彼女の大切な大好きを殺そうとします。

 

自分の大好きが大切で、誰かの期待も、大好きも大切に出来て、でも誰かのために、自分の大好きをいつのまにか蔑ろにしてしまう。賢くて、優しいから、複雑に考えてしまう。

 

何を……もう、全部分かっているんでしょう!

私が同好会にいたら、みんなの為にならないんです!

私が居たら、ラブライブ!に出られないんですよ!

TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3話より

 

f:id:daison1128:20201019150047j:image侑ちゃんの大好きなせつ菜ちゃんに戻ってきて欲しい、スクールアイドルとして。という真っ直ぐな願いにも、誰かを思って、誰かのために全てを隠して消え去りたい。いつのまにか自分の大好きよりも、他人の大好きや期待を優先してしまう、悲痛な思いをぶつけてしまう。

 

だったらラブライブ!なんて出なくていい!

TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3話より

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だからせつ菜ちゃんにとって、拍子抜けするような、自分のことが大好きならラブライブ!に出て欲しいと思うはずと、考えていた彼女には、シンプルすぎる言葉。でもきっとこれが全て。

 

確かにラブライブ!は素晴らしい大会です。今までのスクールアイドル達も、その舞台を目指して、競争し、僕らを魅了してきました。

 

けど、僕らが見届けてきたスクールアイドル達は、形はどうあれ、誰に言われたわけでもなくラブライブ!を目指していた。

それがやりたいと思うことで、願いを叶えるための道で、自分達のためだったから。

侑 あっいや、ラブライブ!がどうだから、とかじゃなくって…

私はせつ菜ちゃんが幸せになれないのが嫌なだけ

ラブライブ!みたいな最高のステージじゃなくていいんだよ、せつ菜ちゃんの歌が聞ければ十分なんだ。

スクールアイドルが居て、ファンが居る、それでいいんじゃない?

 

菜々 どうして…こんな私に

 

侑 言ったでしょ、大好きだって、こんなに好きにさせたのはせつ菜ちゃんだよ。

TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3話より

そうでないのなら、せつ菜ちゃんが大好きで始めたスクールアイドルが、誰かのためになって苦しさを感じるようなら、そこを目指さなくたっていい。

 

侑ちゃんはせつ菜ちゃんが幸せになれないなら、ラブライブ!だけじゃなく、他の全ても"なんて"って言い切ってしまえるでしょう。

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侑ちゃんのこの言葉に掛け値なんてないです、この子は『優木せつ菜が大好き』ただそれだけ。

ラブライブ!なんてって言ってしまえるほど、せつ菜ちゃんが大好き、理屈も、何もそれ以上なんてない。それだけの言葉なのです。

 

そんな言葉と、思いに僕はどうしようもなく共感してしまうのです。ずっと僕も同じこと思ってたから。

 

どこの世界線でも、せつ菜ちゃんはそうなのです。誰かの大好きを大切にする、皆んなのために優しい世界を望める、そんな優しい彼女が好きで、心から暖かくなる。

 

でも僕の大好きはせつ菜ちゃんそのもので、自分の大切な大好きなことをやって、心から嬉しそうな顔をしてる君が大好きで、ずっとそうであって欲しい。

 

せつ菜ちゃんが大好きだから、だから幸せになって欲しい。ただそれだけ。

 

大好きには、いろんな種類があって、それぞれ抱くものも違って、それがぶつかり合うから難しくしてしまうけど、大好きは本当はもっと単純で、そこから生まれてくるものだって、きっと単純でしかない。

 

だから彼女に向けられた期待も、侑ちゃんが向けたものもきっと、大好きから生まれた、ただ素直な気持ち。

 

菜々ちゃんは自分の大好きを、自分本位な我儘だと言いました。それは間違ってない、だって誰しもそうだから。

大好きなんて、皆んなそれぞれで、皆んな勝手に好きなもの好きでいる。そこから生まれる期待も、憧れも、全部自分本位な好きから生まれた、勝手な思い。

 

だからそこに正しいも何もない、誰に許されるものでもない。もしそれが出来るものがいるとしたら、それは自分自身。

 

せつ菜ちゃんのことが大好きで、幸せでいて欲しいなんて思う、侑ちゃんの大好きも勝手な我儘、けれどそれの何が悪いんでしょうか?

 

だってそれしかないんだから。大好きって、大好きでしかなくて、だから幸せでいて欲しいも、それ以上なんてない。

せつ菜ちゃんのことが心から好きな人からの、心からの願い。

 

・初めからどこまでも、高くて、果てないこの世界で。

そんな真っ直ぐな我儘だから、せつ菜ちゃんを隠すための壁を、縛っていたものを解いてくれたのでしょう。彼女は自分を許せた。

 

衣装がなくても、大好きを隠そうと、消してしまおうとしても、手放さず持ち続けた髪留めをつけた彼女は、間違いなく優木せつ菜そのものです。

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始まりだったら良かったのに、そんなファンの思いに応えるように、スクールアイドル優木せつ菜の復活を、始まりの歌と称しました。

 

彼女のステージを照らすように、曇り空から光が差し込みます。空も、海も開けていく。彼女へ世界の広さを示すように。

ニジガクというか、お台場は広いけど狭い。仰々しい門を持った校舎、それらを囲うように並び立つビル群、視覚的に世界を、空を狭く感じてしまうでしょう。

 

誰かの大好きを傷つけたのは事実かもしれない、けど誰も彼女の大好きを嫌ってなかった、戻ってきて欲しいと、素敵なスクールアイドルだと、必要だと思ってくれる。ある人には憧れと、始まりを与えた。

 

世界を閉ざしたのは最初から彼女自身なのです。

自信なくしてただ 心に鍵かけて

響く自分の声に耳塞いでた

本当はいつだって分かっていたんだよ

一番大切なもの ここにあること

TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3話挿入歌 DIVE!より

鍵をかけていた彼女に、本当は扉すらないんだよと示すように。空は開かれ、海はどこまでも広がっていく。

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そんな世界で自分を開け放った時、彼女の感情を伝える素直な目に、再び大きく火が灯ります。彼女の大好きそのものである、優木せつ菜の火が。

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その目に宿るものは確かに、消してしまおうとして、でも消えずに声を出し続けていた、彼女の一番大切なもの。

 

ずっと耳塞いでた、自分の声に向き合うこと、それは消してしまおうと閉まっていた、自分の大好きと向き合う事。

海の奥底に潜って、出会ったもう1人の自分は、きっと菜々ちゃんが心の奥底に沈めてしまった、大好きそのものでしょう。

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一度目を晒した自分を、再び真っ直ぐ受け止めた時、自分が自分を許した時、優木せつ菜はどこまでも飛んでいける。

高く、果てなく、どこまでも広がっていく世界で。

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『なりたい自分を我慢しないでいいよ』けじめをつける為に上がったステージで、誰かに歌ったこと。それを今体現して見せているのかもしれません。

 

ただ大好きを叫ぶ、彼女だけの大好き、彼女にしか出来ない、我儘を貫く最高のステージ。

 

最後に彼女は名乗りをあげます虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、優木せつ菜」と。

きっとこれからも、彼女の大好きは、この世界を照らしていくんでしょう。

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・大好きな君へ

もう大好き!そう言いながら抱きしめる侑ちゃん。大好き、だから抱きしめる。ただそれだけの大好きが侑ちゃんを動かして、せつ菜ちゃんを救った。

 

その言葉は心からの言葉で、それしかないんだろう。そう思えるほど、この物語が始まってから、ずっと侑ちゃんはその姿で、せつ菜ちゃんが大好きだってことを示し続けてくれました。

 

せつ菜ちゃんへの愛を語る姿も、何度も何度も噛み締めるように、あの日見たライブを思い出す姿も。

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なにより、これまで彼女は、スクールアイドルのそれぞれの在り方も、せつ菜ちゃんがスクールアイドルを辞めてしまうことだって、事情があるはずだと否定することはありませんでした。

彼女は他人のあり方に、非常に寛容で、悪く言えばフラットなのかもしれません。

 

でもはっきりと、せつ菜ちゃんが自分のためにならないことが分かると、それを否定してみせました。

それだけせつ菜ちゃんのことが大好きで、それぞれのやりたい事を尊重してくれる。

 

僕は侑ちゃんの真っ直ぐな姿勢が好きです。どこか現実を知っているような口ぶりを見せるのに、それでも、どこか希望を見ることをやめない目が。

大好きなものを大好きだって突き詰めたら、大好きな人に幸せで居て欲しいって思える、その優しさが。

 

それに僕も救われたのかもしれません。

せつ菜ちゃんが自分を蔑ろにする姿を見るたびに、幸せで居てって、自分を一番にしてって、ただそれだけの願いを言いたい。これが僕の我儘。

 

だから"あなた"としてではなく、あの世界に生きる、僕らと同じく、せつ菜ちゃんのことが心から大好きで、同じような気持ちを抱いた高咲侑という人間が、それを真正面から言ってくれたことが心から嬉しいのです。

 

最初からそれだけでよかった。ずっと誰かが言って上げて欲しかった。

大それた願いも、彼女が望むなら応援したいけど、でも何より君に幸せでいて欲しい。それを許して欲しい。

 

でもあの世界には、それを伝えてくれる子がいる。きっと彼女がまたせつ菜を世界から消そうとした時、止めてくれる優しい女の子がいる。

 

だからこの物語に、この願いだけ託します。

 

大好きなあなたへ、明日もずっと笑顔で、幸せで。

 

 

 

:画像出典 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1話 はじまりのトキメキ

2話 Cutest♡Girl

3話 大好きを叫ぶ より