恋ちゃんの"今"が輝くように ラブライブ!スーパースター‼︎第7話感想
恋ちゃんにとって、今ってなんでしょうね?
結ヶ丘を、移り変わった過去を必死に守ろうとするだけのものなんですかね…?
今生きている"今"は、恋ちゃんにとって輝いているんですかね?
今回はそれについてだけ、少し話させてください。
未来
未来は風のように 僕らを呼んでるんだ
何が待ち受けてるか誰も知らない
突然「未来は風のように」の歌詞引用しちゃったんですけど、この歌詞を恋ちゃんに歌わせるってやばすぎませんか…??
正直なところ7話見てから「葉月恋にとっての"未来"」に打ちのめされてしまって、何を言えばいいか分からなくなってたんですよね。
恋ちゃんにとって、こんなにも両親がいた頃は輝いてる。でもそこからたどり着いた未来は母を亡くし、葉月家はすっかり衰退し、遺った結ヶ丘すら失おうとしてる今。
結ヶ丘をなんとしても守ろうとする、年不相応ともいえる恋ちゃんの覚悟は、そんな「輝いた過去を無くさないようにしてる」のかなとも感じられるんですよね。
でももっと不安なのは、それに周りの人を付き合わせず「私が頑張らなければ」と、どんどん独りになろうとしてるところなんですよね。
こうして周りの人へは、未来へ進んでいくことを促しながら、自分は消えてしまいそうな過去を、残ったものたちを守ろうとしている。
勿論そうやって過去に囚われてることが悪いことなのかって言ったらそんなことなくて、それこそ何年経っても恋ちゃんが守りたいと思う「変わらない想い」で、そう思えるほど素敵な過去なんですよね。
恋 母が残した学校を続けるためには、私が頑張るしかないのです。
でも高校一年生の子がこんな顔しながら絞り出す言葉の重さじゃないんですよ。
そんな辛そうな顔しながら、大切なものを守ろうとしてるその手段は、あまりにも一人で背負うには重くて、"今"を大切に出来る未来が待っているとは、僕には思えないんですよね。
愛おしい過去、輝いた今。
例えば、今回口約を破ってまで「結ヶ丘を守る」為に、学園祭では音楽科の生徒を優遇するっていう、苦渋の決断を下してしましたけど、それで果たして誰か報われるんでしょうか?
(本当に音楽科だけを優遇したい人間がこんな表情しますか?)
そりゃ音楽に専念して学校生活送ってきた人達メインの学園祭は、側から見れば華やかでしょうけど、実態は音楽科の生徒数の3倍を占める普通科の子達から、思い出を作る機会を奪ってるんですよ。
そんな学校、本当に来年から入学者って増えるんですかね?
今の恋ちゃんが守ろうとしてるのは、母の形見である結ヶ丘という学校が存在しているという事実で、そこに生きる生徒達のことを自身も含め、勘定に入れてないように思うんですよね。
(理事長のスタンスは結ヶ丘そのものではなくて、結ヶ丘に通う生徒のことを第一に考えてるように見えて、学校への認識が逆ですよね。)
「学校が学校である為」に大事なものって、校舎とか名前とかそういうものじゃなくて、生徒のはずなんですよ。
学校とは「今生きる生徒達の為にある場所」で、その中には勿論恋ちゃんだって含まれてる。
だから、学校存続の為に大半の生徒には思い出作りの機会が与えられない、生徒会長は自分の青春を犠牲にして存続させようとする、そんな学校を果たして生徒達は守りたいと思うでしょうか?
勿論恋ちゃんが守ってきた想いも、それを抱えて生きてきた過去を否定するつもりもないです。
でも、恋ちゃんが守ろうとしてる結ヶ丘は、恋ちゃんのお母さんが愛した結ヶ丘とは別物なんじゃないかなって。
恋ちゃんのお母さんが思い出を愛おしそうに捲るのは、そこにしまってあるのが『大切な"今"だった過去』だからで、そんな時間を過ごした結ヶ丘だから、お母さんにとって大切だったのではないでしょうか?
(皆んな本当に輝いてる…)
そして今を生きた生徒達が育んだものが、また別の世代の子達に託され成長していく、そんなことを繰り返すから学校は「根付く」のではないでしょうか?
「地域に根付く」って未来は、その場所で生きる生徒達に愛された後の結果にしか過ぎないんですよね。
同じように、恋ちゃんに両親のいた頃が眩しく見えるのは、大切な"今"だったから。
そしてそんな時間を、恋ちゃんは今過ごせているのでしょうか?
恋ちゃんにとって結ヶ丘は、「母の形見」以上の意味を持っているものなんでしょうか…?恋ちゃんの未来に、学校を守ろうとしてる今を思い出しながら、アルバムを捲る日は来るんでしょうか?
そして恋ちゃんの作る結ヶ丘は、生徒達がいつか、愛おしく想えるような学校なのか?
振り返った時、アルバムに入れておきたい思い出もない今なんて、僕は寂しいですよ。
だから恋ちゃんにとっても、生徒のみんなにとっても、結ヶ丘で過ごす時間が、いつか輝く今になってほしい。
そんなことを願いながら、これから先の物語楽しみにしてます。