スクールアイドルは『夢から覚めず』に夢を見る。【ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話】
みなさんこんちには!お久しぶりです。スパボです。
突然ですが、あなたは今夢を見てますか?
夢を見たことはありませんか?
身構えないでくださいね。
別に「夢見てないなら見ろ!」って言いたいわけじゃないです。
別に見ていても見ていなくても大丈夫ですよ。それは僕らに課せられた使命なんかじゃないので。
もうひとつ聞かせてください、夢を諦めたことはありますか?
そして今、夢を見ることを諦めていますか?
僕はいつも思うんです。
そんな人からすると、スクールアイドルの姿はどんな風に映るんだろう?って。
「一緒に夢を見よう」と手を差し伸べてくる、スクールアイドルの姿をどう受け止めてるんだろうと。
僕はかつて夢を挫折した人に、「もう一度夢を見よう!!」っていうのは、余りにも酷なことだと思います。
何度も夢を見て叶わないことを知って、自分の無力さを味わった人に、もう一度その道を歩めと僕にはきっと言えない。
けど、スクールアイドルにはなぜそれを言えるんだろう?って。
あの時かのんちゃんは、どうして手を差し伸べられたのか?と。
そんなことに思い馳せながら、僕にとっても大切な1話になった2期6話について話していきたいと思います。
①人生は続くよいつでも
夏美 私の夢は!将来オリンピックで金メダルをとること!
少女 夏美ちゃんまたビリだね…
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
夏美 私の夢は、ノーベル賞を取れるような科学者になること!
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
夏美 私の夢は、モデルさんになって世界を駆け回ること!
夏美 全然伸びてない…
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
夢は諦めなければ叶うなんてことはなくて、センスや才能ってのは間違いなくあると思います。
人には生まれた時から向き不向きがあるし、成長していく中で、得意なこと不得意なことは更に分けられていくでしょう。
そして、自分の夢が自分に向いているものではないことも。
夏美ちゃんの凄いところは、そんなことを何度も味わいながら「それでもいつか」って夢を見ていたことだと思います。
でも夏美ちゃんは中学生になるまで、夢を見続け、ある日悟ったんだと思います。
自分には、自分のやりたいことを叶える才能はないって。
夏美 嫌な夢。
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
目を輝かせて"夢見ていた"。
もう今は、目を瞑らなきゃ見ない夢から覚めて、叶えられなかったそれを『嫌な』って吐き捨てる。
拝金主義な夏美ちゃんがどうして生まれたのか、これだけ見れば最早説明不要ですよね。
僕はお金を稼ぐことって、生きることに必要不可欠ですけど、目標持てないって思ってる人の最終防衛ラインだと思ってるんですよ。
だって夢が叶えられなくても人の命は続くじゃないですか。
夢を見たり、目標を持つことを諦めても、劇的に自分の人生に終幕が訪れるわけじゃなくて、その後もなんてことなく生活は続いていくわけです。
『お金を稼ぐ』ってのは何も目標持てなくっても、それでも最後に人間が縋れる『生きる理由』のひとつだと思います。
いつ死ぬのかなんて分からなくて、でも間違いなく歳は食っていくわけで。
そう考えたら「お金は稼いどこう」ってなると思うんです。
夏美 強いて言えば、お金をたくさん稼ぐことですの。
きな子 なんで?
夏美 なんでって…歳をとった時に困らないようにですの。
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
結局何するにしても生きてればお金は必要で。
でも別にお金だけを稼ぐってそんな悲観的なことじゃなくて、もしまた夢を見る時が来たら、その為の資金が必要になった時に使えるかもしれない。
お金があれば、今は何も持てなくても将来への希望にはなり得る。
もし僕が今「夢ない」って言ってる人に出会ったら、とりあえず金は稼いどくのおすすめ!って言います。
そうすりゃ絶対夢見た時有利になるので。
だから、この夏美ちゃんの考えそのものを悲しいとは思ってないんですよ。
ただ僕が勝手に辛いと思っているのは、高校1年生って若さでもう既に自分の人生の上がりを決めてしまっていること。
『私なんてこんなもんだ』って決めて、夢を見ることを諦めていること。
悟って、夢を見ることを諦めないでほしい。
こんなもの、僕の理想なんでしょう、エゴでしょう。
それでも、僕はラブライブ!という物語に、どんな時でも『夢を見ること』を諦めなかったスクールアイドルたちに、生きる力を貰ってきました。
だからそんな物語の中で、まだ幾らでも可能性を選んで歩いていける子が、夢見ることに空虚さを抱いてることが辛いんですよ。
②夢は語るだけじゃ
でも、夏美ちゃんを見ながら辛いと思いつつ、同時に
最高にかっこいいとも思ったんです。
メイ サボってるみたいだろ!
夏美 実際、サボってますの〜
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
5人のLiella!を、先輩達と共に超える。
そんな夢を語ったのに、目の前に現れた壁の高さに打ちのめされて、足を止めている。
それを"サボっている"と言った、夏美ちゃんの笑顔に僕はどこか怒りを感じました。
夏美 超えるのが夢なんでしょ!!
夏美 先輩達のステージを越える。それが皆さんの夢だったはず。だったら…責任は持つべきですの!
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
夢見て叶えられなくて、それでも何度も夢を見て、それでもダメだった夏美ちゃんだからこそ。
たった一度打ちのめされたくらいで足を止めるなんて、そんなこと決して許しはしない。
夏美 諦めるくらいなら、夢なんて語ってほしくない!
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
僕はこの夏美ちゃんの哲学が好きです。
何度も夢見て、夢を叶えられなかったからこそ、誰よりも『夢を見る』って行為に真剣になれる。
僕の想像なんですけど、絶対叶えられない夢を前にしてこんなこというほど彼女も鬼ではないでしょう。
ただ、まだ叶えられるかもしれない夢を持っているのに、『難しいな』ってへそ曲げてることは、許せないんだと思います。
なぜ、叶えられるかもしれない夢を前にしてへこたれているのか?と。そんな暇があったら足を動かせと。
これが夏美ちゃんの厳しさでもあり、でも優しさでもあるんです。
夏美 動画撮影していて思いましたの、皆さんの夢は決して実現不可能な夢ではない…
それはとても素晴らしいことですの…頑張れば、手が届くかもしれない…そういう夢があるというのは!
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
お金を欲して、策略を立てて、分断してずっと追いかけてきたから、誰よりもLiella!1年生を見てきてるから。
誰よりも彼女達の実力は分かっている。
きっと夏美ちゃんも、千砂都ちゃんと同じく「大丈夫」って思ったんです。
千砂都 本当はプレッシャーになっちゃうから、後で相談しようかと思ったんだけど…あの動画を見て思ったんだ、大丈夫だって!
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
1年生組の練習姿を見て、自分たちと同じステップを求め、ハードルを上げた千砂都ちゃんと同じく。
彼女たちの姿を見て「不可能ではない」って思ったから、夏美ちゃんは彼女たちの背中を押した。
けれどその言葉は、動画を見た先輩達の言葉よりも、『最も身近で自分達を見続けてくれていた人』の言葉として、あの3人の勇気になったはずです。
この3人が加わったLiella!なら、5人の時のステージを越える可能性は絶対あるって、そう確信している。
これは僕の持論ですが。
夢を見ている人がかっこいいわけじゃなくて。
夢を見て、その夢と逃げずに向き合い続けてる人がかっこいいんです。
夢は語っているだけじゃ意味はない。
それを身につけて人に自慢して、「夢見ててかっこいいだろ?」って自慢する為のものじゃない。
だから僕は、夢を語って、憧れの先輩たちのステージを、先輩たちと超える為に走るLiella!1年生組がめちゃくちゃカッコよく見えます。
③夢を見る場所
夢を叶えられなかったからこそ、夢を見る人に厳しくはっぱをかけられる。
優しく出来る。夢見る人を支えられる。
僕はそんな夏美ちゃんが、最高にかっこいいと思います。
でも、じゃあ1年生組を、スクールアイドルを支えてくれた夏美ちゃんを支えてくれる人は一体誰なんでしょう?
それはきっと、同じくスクールアイドルなんだと思います。
かのん それよりスクールアイドルやってみない?
夏美ちゃんに9人目のLiella!になってほしいんだ。
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
1人で夢を見て、自分の可能性を悟ってしまって、夢見ることを諦めた夏美ちゃんに、スクールアイドルは手を差し伸べます。
かのん そうかな?夢がないなら、みんなと一緒に同じ夢追いかけてみない?
夏美 夢?
かのん うん!もし夏美ちゃんに夢がないなら
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
僕はこのシーン、とんでもないことをしてると思うんです。
冒頭でも言った通り、僕は一度夢破れた人に『もう一度夢をみろ!!』なんてとても言えません。
夢が叶わないって想いを、自分の無力さを味わうかもしれない道を、もう一度進めなんて僕にはそんな勇気はない。
でもそれが出来るのは、かつて夢を叶えられず、夢見ることも歌うことも諦めかけた、かのんちゃんだからでしょうか?
かのんちゃんがスクールアイドルだからでしょうか?
勿論『スクールアイドルは夢を叶えてくれる魔法みたいな存在!』だからって訳じゃありませんよね。
スクールアイドル達がたどった道には、いくつもの
叶わなかった夢が転がっている。
それはかのんちゃんだって。
僕らもよく分かっているはずです。
かつて僕の大好きなスクールアイドルは、夢を叶えられず泣いてました。
そして、実際の所かのんちゃん達はまだ結果を残せていません。
敗北を繰り返して、サニパ以外のグループに負けて、まだ夢を叶えられていないんです。
だけど、かのんちゃん達Liella!はそれでも夢を見て進んでいける。1人じゃないから。
可可ちゃんやみんながいたから、かのんちゃんが歌えたように。
1人で夢を見る訳じゃない。
スクールアイドルは『みんなで叶える物語』だから。
かのん お互い欠けてるところや届かないところを補い合って、一緒に夢を追いかけることはできるよって。
ラブライブ!スーパースター‼︎2期6話より
足が誰よりも速くなくていい。
誰よりも頭が良くなくていい。
誰よりもスタイルが良くなくていい。
足りない部分は誰かが補ってくれる。
誰かの出来ないことは、自分が支えられる。
壁にぶつかっても、鼓舞し合いながら進んでいける。
それでも、ステージ上でどうしようもなくなった時、ステージの外から支えてくれる。
スクールアイドルは「自分の足りなさ」ばっかり見つめて、絶望しなくたっていい。
自分のできることさえ持ってれば、ただ「スクールアイドルがやりたい」その気持ちがあれば、その場所に立つ権利があるんです。
スクールアイドルだから夢を叶えられるってわけじゃない。
でもスクールアイドルは、
『夢を見るもの』を誰だって受け入れてくれる。
『夢を見たい』って人へ手を差し伸べてくれる。
上手くいかなくたって、一緒に笑ってくれる仲間がいる。
そんな仲間達とだから、夢から覚めずに夢を見ていられる。
(夢見心地ってやつだ)
きっとみんなとだから、これから先どうなろうと、夢見る日々を後悔することはないはず。
④夢みるキミへ
さて、ここからは本編に関する感想ではなくて、6話を見て僕がこの記事を書くに至った想いについて話します。
それでも「最後まで見てやるよ」って心優しい方は、ぜひ最後までお付き合いください。
僕1ヶ月ほどブログ更新出来てなかったんですけど、実のどこか靄がかかったような気持ちで過ごしてて、何かを書く気に全くならなかったんですよ。
でも6話を見て、凄く熱いものが込み上げてきました。
それは夏美ちゃんの夢への姿勢に、僕の胸が突き刺されたから。
僕が抱えていた想いを、そのまま言葉にして僕に言ってくれたような気持ちになったから。
③にて、僕は「夢は語っているだけじゃ意味はない」と言いました。
なんとなく棘があるこの言葉から分かる通り、この記事を書いた想いにはどこかに僕自身の怒りもあると思います。
夢って飼い殺しにしちゃいけないんです。
語るだけ語って、いざ具体的に夢に向かってどんなことをしてるのか?と質問されると答えられなかったり。
そういう人はきっと「夢を見てる」って状態に満足してたり。
夢見ることに逃避してるだけだったりするのでしょうか。
でも僕は、「こんな夢を見てるんだ!」って、酒の肴にして満足してる人をかっこいいとは思わない。
僕はそんな奴のことが嫌いです。
誰のこと話しているか分かりましたか?
そうです僕のことです。
スクールアイドルと出会って見つけた夢へ、まともに進むことができてない、スタートラインに立つ資格すらまだ持ってない癖に、一丁前に夢について語る。
僕はそんな僕が嫌いです。
でも僕は誰かにこんな言葉を本当は投げつけられる側なのに、今は「本気で夢を見てるの?」って投げる側に立ってみてます。
卑怯なやつですよね。
でもなんでこんな役に立って記事にしてるのかというと、なんとなくこの話を見てスクールアイドルに叱られたと思ったから。
「夢を中途半端にするな」って、しっかりしろよってスクールアイドルに叱られた気がしたから。
僕はスクールアイドルの姿から生きる力とか、楽しさとか、嬉しさとか、いろんなものを貰ってます。
その中には時に僕が「うっ」ってなるような、目を逸らしたくなるようなものも含まれてます。
時に核心を突き、怒って、諭して、僕の背中を叩いてくれる。
僕はそんなスクールアイドルと、スクールアイドルの物語が大好きです。
そう思うと、スクールアイドルに叱られちゃうようなダメな僕がいるから、僕はまだ進んでいけるんだって、嫌な奴だけど必要な奴なんだなって思ってみたり。
だから立ち止まってる暇じゃないなって、また少し進んでいこうってこうして筆を取りました。
だから僕は僕に抱いた怒りとか、僕を叱ってくれるスクールアイドルへの感謝を。
また何か理由つけて立ち止まろうとした時に、僕が逃げられないように、皆さんにも指差してもらうための証拠として。
そして、夢を見る人に時に優しく。
時にとてつもなく厳しいスクールアイドルのことを知ってほしくて。
それもラブライブ!の揺るがない素敵な所だって言いたくて、ここに残したくなったんです。
なんて、取り止めのない僕とラブライブ!の関係についてでした。
ここまで読んでくださったあなたは、とてつもなく優しい人ですね。
それでは今回もありがとうございました。
また次回。