スパボの掬い場

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奪って、離れて叶える、それも『夢』。【ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話】

 

お久しぶりです。スパボです。

 

スーパースター2期の感想に関しては6話ぶりですね……

このまま最終回まで筆を取らないつもりでしたが……やられました……

 

先に言っておくと、僕の中で

11話はスーパースター2期の中で屈指の衝撃回です。

こんなに頭を殴られたような、見ていて怖くなる回は本当に久しぶりでした。

 

でも京極監督の、花田さんのこの作品にかける本気を見たようで、とても嬉しくもなったんです。

ラブライブ!スーパースター‼︎って作品を通してこれをしたかったんだな……」って、そんな瞬間に立ち会おうとしてるんじゃないかな?って。

 

恐怖、不安、悲哀、嬉しさと興奮と、そんな雑然とした気持ちが入り乱れて、知恵熱が出てたそんな感じの回だったんです。

 

だから書きたいというか、書かなきゃ!みたいな凄く衝動的な気持ちで、このブログを書いてます。

 

『夢を奪う』という行為、『私を叶える物語』『みんなで叶える物語』について。

最後まで寄り道なしで語らせていただきます。

 

 

①夢を奪い夢を叶える

 

マルガレーテ ふざけないで!私に勝って、他人の夢をあなたは奪ったのよ!

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

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正直「これを言葉にするの…??」って震えました。

 

かつて夢を諦めかけた少女に、夢が叶わない辛さを知ってる少女に「あなたが夢を奪った」とそんな言葉をかけるなんて、まじかよ……って。

 

でもこれってラブライブ!優勝という、たったひとつの椅子を争う上では仕方のないことなんですよね。

そしてかのんちゃんがそれをようやく自覚したのは、Liella!が勝者になったから。初めて奪う側になったから。

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Liella!が『みんなで叶える物語』を貫くということは、マルガレーテちゃんの『私を叶える物語』を奪うということ。

 

でもここでひとつ僕が言いたいのは、『夢を奪う』という行為は別に罪深いことではない、ということです。

 

勿論他者の夢を奪わない夢も、この世にはあります。

それは虹ヶ咲が示した夢の在り方も、そのひとつでしょう。

 

ただそれは『人数が限られてない夢』だけだと思います。

 

大会で優勝すること、1番になること、これらはその場所に座れる人数が限られている限り、どうしたって誰かと奪い合わなきゃいけないんですよ。

『1番になりたい』こういう夢は見た瞬間から、誰かの夢を奪わずにはいられないんですよ。

 

だから僕は夢を見るための覚悟が必要だと思っています。

夢を奪ってでも、その席に着きたいという想い。

 

そしてラブライブ!が競争の場である限り、それは避けられないことですよね。

マルガレーテちゃんだって、サニパの夢を奪ってここに立ちました。

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ラブライブ!2連覇』という夢は、色んな人に期待され、そして予選であっさりと敗れて終わってしまった。

 

マルガレーテちゃんがサニパの夢を奪ったように、Liella!もマルガレーテちゃんから、

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いえ名前もない、歌も知らない、それでも確かにあの世界で生きて、ラブライブ!のために青春を捧げた子達の夢をLiella!は奪ったんです。

 

あの場にいた子達の叶えたかった夢を全て奪い、自分たちの夢路にする。

それが『ラブライブ!で勝つ』と言うこと。

かのん それは出来ない。

だって私たちの方が勝っていたと思うから。

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

それでも勝利を譲る気はない、誰かの夢を背負ってでも、かのんちゃんは進んでいくことを選びます。

 

残酷でしょうか?でも僕らはこんな夢をずっと見てきました。

ラブライブ!から始まり、サンシャイン、そして虹ヶ咲の物語の中にすら。

 

いえ、なんなら我々はこの『誰かの夢を奪う』という行為を、それこそスーパースターというコンテンツが始動した時点から、とっくに見ていたはずなんです。

 

だって伊達さんも青山さんも、鈴原さんだって、誰かが座りたかった席を奪って、あのステージに立っているんですから。

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ラブライブ!のオーディション。

憧れのステージに、大好きなラブライブ!のステージを届ける側に立てる、一世一代のチャンス。

 

どれほどの人がこのオーディションに夢を見たでしょう?託したでしょう?そして破れたでしょう?

 

ラブライブ!キャストという限られた席争い、夢を奪って、夢を叶える、きっとこのオーディションはそういうものだったと思うんです。

 

だからスーパースターというアニメがそれを言葉にしたことが震えたと言うか、正直びっくりしたんです。

決して彼女達が綺麗なだけの場所に立っているわけではないということ。

 

「ただのシンデレラストーリーで終わらせない」

この物語はたしかに誰かの夢の上にあるということを、ここまでアニメが意志を持って突きつけてきたことが、本当に衝撃なんです。

 

伊達さん達は誰かの夢を奪ってあそこに立ってる訳です。

ときどき、このお便りを読み返すのですが、そのたびにオーディションを受けた時のまっさらな気持ちを思い出すんです。

それに、オーディションを受けた全員の気持ちを背負って、ここに立っているんだということを再確認させてくれます。

Love Live days!ラブライブ!総合マガジンvol.16

一般公募オーディション合格者インタビュー① 伊達さゆり 25ページより

そしてそれを背負っていくことを、きっと覚悟している。

ラブライブ!スーパースター‼︎は、誰かの夢を奪い、背負い、夢を叶えるところから始まっている物語なんですよ。

 

残酷でしょうか?

でもはっきり言って、僕は誰でも夢は叶うものではないと思ってます。

だって公平じゃないですから。

 

真剣にやってきたからって夢が叶うわけじゃなくて。

自分の方が想いが強くても、『才能』に容易く負けることはある。

でも、僕は例え夢が叶わなくったって、その人が夢に賭けた時間が嘘になって欲しくないんです。

 

夢を見た人が賭けた時間は、なにひとつ無駄じゃないって、胸張って言ってやりたい。

形あるものが何も残らなくても、あなたが1度しかない青春を賭して使ってきた時間は、無駄じゃないって。

 

だから何も知らない人が手を取って「はい皆1番ね!」って、最初から全員選ばれるようになってるなら、何のために青春を賭けたのか?そう思ってしまう。

 

そんなの嘘じゃないですか、悲しいじゃないですか。

僕は「あの時間は無駄だったの?」なんて絶対思わせたくない。

 

だから席が限られた夢があっていいと思うんです。

 

夢を見ることは、生きてることと一緒なんだと思います。

『ここは自分の領域』って自分の居場所を主張して、守って生きていく。

 

叶わなかった夢の上に立たなければ、叶わない夢。

 

そんな夢は、見たくもありませんか?

 

②みんなで叶える

 

さて、ここからは2つの物語について話させてください。

そう『私を叶える物語』『みんなで叶える物語』について。

 

1番僕がスーパースターって作品で好きなのは、この2つの物語は地続きって所なんですよね。

 

僕はLiella!の『みんなで叶える物語』は1期12話の時から、本当の意味で始まっていたと思います。

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まずラブライブ!スーパースター‼︎の始まりは、夢を諦めようとしていた澁谷かのんがスクールアイドルと出会い、歌えるようになるまでの『私を叶える物語』でしたね。

 

そして1期11話でかのんちゃんが歌を取り戻してからは、"ラブライブ!で勝つ意味"を一度失います。

 

なぜなら廃校も阻止して、歌えることも取り戻して、すでに十分満たされていたから。

かのん みんなは「優勝だ!勝ったら全国だ!」とか言うんですけど、私は歌で勝ったり負けたりとかあんまり……

でも私、ずっと歌えないかもって不安があったから、自由に表現できるだけでもうそれだけで幸せで……

ラブライブ!スーパースター‼︎1期12話より

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"スクールアイドルなら"歌えるから始まった物語が、『スクールアイドルでなくても歌える』になった瞬間に、かのんちゃんがスクールアイドルとして勝ち続ける理由は、1度なくなります。

 

僕はこの瞬間が『私を叶える物語』だけでは、スクールアイドルを続ける限界が来た瞬間でもあったと思います。

 

だからこそLiella!の敗北は、澁谷かのんがスクールアイドルでい続ける理由にもなったと思うんです。

 

自分達を支えてくれる人たちを見て、そんな人たちの期待に応えられず負けてしまって、みんなを笑顔にさせられなかった姿を見て。

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"歌で笑顔にしたい"そんな夢を持ってる澁谷かのんだからこそ、私を叶える物語から、『みんなで叶える物語』が始まったんだと思います。

 

「今度こそみんなで喜びたい」

そんな想いを抱いて始まったスーパースター2期は、『みんなで叶える物語』に強く焦点を当てられた作品になっていたと思います。

 

それこそSing!Shine!Smile!はLiella!の描いてきた『みんなで叶える物語』の象徴的曲だと思います。

 

マルガレーテちゃんの『自分の歌』だけを信じて、自分の力だけで『私を叶えようとした』のではなく。

Liella!の仲間と、Liella!を支えてくれた人達と共に戦う。

かのん 一生懸命頑張って、みんなに応援してもらって、みんなと一緒に成長できる。スクールアイドルって本当に素敵だと思う。

ラブライブ!スーパースター‼︎2期10話より

どっちの方が実力が上とか下とか関係なく、お互いに意見を出し合って、みんなと共に成長して。

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そして勝てなくても、Liella!を誇りと呼んでくれた人達のために。

Liella!が大会に集中していられるように、生徒会の仕事を手伝ってくれた人たちと共に。

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Liella!が歌えるように支えてくれた人たちの思いを背負って。

共に頑張ってきた仲間と高め合いながら。

 

"勝つため"に必要ない人なんていない。

同じ場所を目指して、喜びを分かち合うのが、彼女達が見た『みんなで叶える物語』だったと思います。

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そして11話で僕らの頭を抱えさせたのが、『みんなで叶える物語』が結ばれていく裏で、密かに『私を叶える物語』もステップを進めていたってことですよね。

 

いえ、スクールアイドルとして『みんなで喜ぶ』って目標を進めてきたからこそ、『私を叶える物語』を次のステップに進められるようになったと考えられます。

かのん 小さい頃から夢があったの。

世界に歌を響かせたい。自分の歌で、世界中の人を笑顔にしたいって。

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

1度は人前で歌えなくなって諦めてしまった夢。

それがスクールアイドルになったから。

『みんなの夢』へ向かって歩んできたから、再び現実的なものになった夢。

 

それが留学という『スクールアイドルから離れる』という手段によって、すぐ近くまで手を伸ばせるかもしれない。

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かのんちゃんがパンフレットを見ている時の目

幼い頃からの夢が、憧れがすぐ手を伸ばせる距離まできている。そんな揺らぎに見えます。

 

でも彼女が最初選んだのは『みんなで叶える物語』でした。

かのん だからこの学校にずっといたい……

もっとたくさん歌って、3年間スクールアイドルとして頑張って、この学校のみんなと一緒にハッピーな気持ちになりたい!

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

「留学してしまうのか」と、心配して見にきてくれた仲間と分かち合った喜びがあったから。

結ヶ丘に入って、スクールアイドルになって、「歌が大好き」ってまた言えるようになった。

 

結ヶ丘にきたから、Liella!と出会えたから、澁谷かのんは再び歌うことができた。

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それほど澁谷かのんの中で『スクールアイドル』は、みんなと歌うことは大切なことになっていました。

かのん 東京大会のステージで、みんなで喜べた時思ったんだ!

私の選んできた道は、何にも間違ってなかった!

この喜びを重ねていくことが、私の目標のひとつなんだって!

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

こんな大切な仲間達と喜びを重ねていくことは、その目標を追うことは『これから先も正しいはず』、だからスクールアイドルを続けることを選びます。

 

でも1人だけ訝しげな目線を向ける千砂都ちゃん。

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多分千砂都ちゃんだけが分かるんですよ。

『みんなと叶える物語』と同じくらい、幼い頃から大切だった『私を叶える物語』が、澁谷かのんにはあることを。

 

このシーンを見て、ここまでスクールアイドルとして頑張ってきたのに、スクールアイドルから離れられるわけない、『悩むまでもない』って思うでしょうか?

スクールアイドルが大切だから離れる選択肢なんて有り得ない、って思うでしょうか?

 

僕はむしろ『スクールアイドルが大切だから』、その選択肢が生まれると思ってます。

だからこそ『みんなで叶える物語』と『私を叶える物語』違うものだけど、切り離せないものだとも思っています。

 

さてこの2つが『違うけど離せないもの』、『違うから離れなければならないもの』であることを考えるために、ここでひとつ質問します。

 

あなたは『みんなで叶える物語』と『私を叶える物語』の違いってなんだと思います?

 

誰かの夢を支えること?

誰かの夢に自分の夢を託すこと?

1人で夢に向かうこと?

 

僕は

『誰が叶えてくれるのか?』

それが、1番の違いだと思います。

 

『みんなで叶える物語』は自分だけじゃない、そこに関わる人たち全てで叶える。

極端な話『自分がいなくても進んでいく夢』だと思います。

 

1人離れたくらいでは止められない夢。

離れた人の想いすら背負って叶える夢だと思います。

 

では『私の物語』は、誰が叶えてくれるんでしょう?

 

それはどこまでも"私"しかいない、そういう夢なんだと思います。

 

③私を叶える

 

『みんなで叶える物語』は文字通りみんなで叶えるものです。

ステージに立つ人がいて、裏で支えてくれる人がいて、そして目の前に応援してくれるファンがいて。

 

"みんな"とだから叶えられる。

 

でも、かのんちゃんの夢を叶えられるのは、かのんちゃんしかいない。

誰かが澁谷かのんの代わりに、歌で人を笑顔にしたり、歌を世界に響かせることで、『澁谷かのんの夢を叶えた』といえますか?

 

言えないと思います。

 

自分の夢を体現できるのは自分しかいない。

支えてもらうことは出来るけど、でもその道を進めるのも諦めるのも、決めるのは自分しかいない。

 

こうして考えていると、私を叶えることと、みんなで叶えることは、一見遠く離れた道に見えます。

でも僕は、『私を叶える物語』と『みんなで叶える物語』はどうしようもなく切り離せないと思います。

 

だってかのんちゃんが揺れてしまうのは、どちらも

『スクールアイドルがいたから見れた夢』だからだと思うんです。

 

だってスクールアイドルになったから、かのんちゃんは歌えたから。

かのん 歌える。1人じゃないから。

ラブライブ!スーパースター‼︎1期3話

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彼女だけの夢は、スクールアイドルとの出会いで取り戻していったから。

 

かのんちゃんは『みんなで叶える物語』に救われて、再び歌えるようになりました。

澁谷かのんがスクールアイドルを続けてきた時間は、間違いなく『夢』を再び追うために、必要な時間で。

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『私を叶える物語』は、『みんなで叶える物語』に支えられたことで、再び動き始めました。

 

スクールアイドルを続けてきたおかげで、いままさに目の前に『幼い頃からの夢』の扉が、掴めるところまでやってきたんです。

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でも、その扉を掴むには『スクールアイドル』を手放さなければいけない。

 

勿論かのんちゃんにとって、スクールアイドルが、Liella!仲間との時間が大切なのはよくわかってます。

彼女が"今"を大切にしているのはわかります。

 

でもかのんちゃんの幼い頃からの夢は、"今"大切なものではないのでしょうか?

 

大切だった"はずのもの"って過去形になったものではない、スクールアイドルを続けてきたから、また見ることができた"今"大切な夢』ではないのでしょうか?

かのん 夢?それはもう、小さい頃から決めてるんだ!

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

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かのんちゃんがいいならいいんです。

でも後悔してほしくないんです

理事長 後悔しない?

かのん はい。やっぱりピンとこなくて…折角のお話だというのは分かるんですけど。

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

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「ピンとこない」そう言いながらも、日本の裏側にある、ウィーンのある欧州を見つめる彼女が、「未練なんかない」と本当に思いきれてない気がして……

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かのんちゃんの元気に振る舞ってる姿が、『早く留学のことから離れよう』と振り切ろうとしてるようにも見えて。

 

だから少しでも自分だけの夢に未練があるなら、誰かが背中を押してあげることで、もう一度考える機会になると思うんです。

 

そんな役目ができるのは、『澁谷かのんの夢』の価値を知っている、嵐千砂都しかいないと思うんです。

 

ずっと見てましたから。

 

何も言えなくても、見てるだけしかできなくても。

歌えなくて苦しむ澁谷かのんを、叶えたくても叶えられない夢を持ってた澁谷かのんを、ずっと見てたのは嵐千砂都しかいませんから。

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みんなが『行かないでほしい』って言うのは、それほどLiella!にとって、かのんちゃんに欠けてほしくないから、一緒にいたいから。

でも、かのんちゃんが幼い頃から大切にしてきた想いには、誰も触れてくれてないんですよね。

 

だって見てきてないし、知らないから、嵐千砂都以外は。

 

1度は人前で歌えなくなってしまった幼馴染が、今世界的な音楽学校に注目されてるのを知ってるのも。

千砂都 かのんちゃん…そんなに評価されてるんだ。

世界一の音楽学校に……

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

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それがどれだけ誇らしいことなのか、どれほど大きなチャンスなのか分かっているのも。

私、かのんちゃんに…留学してほしい。

ラブライブ!スーパースター‼︎2期11話より

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嵐千砂都の苦しさを思えば、胸を締め付けられます。

澁谷かのんの隣に立ったステージを『夢見ていた』と語った彼女に、今度は自分から離れていくように、背中を押させる。

 

もし、かのんちゃんに『未練』があったとしたら、今ここで背中を押せるのは嵐千砂都しかいない。

だから「行かないでほしい」っていう選択肢は、嵐千砂都にはなかったのかもしれません。

 

スクールアイドルでなくなった未来、澁谷かのんが歌い続けられる『未来』へ背中を押せるのは、きっと千砂都ちゃんしかいなくて。

 

勿論最後に決めるのは澁谷かのんです。

物語としてどうだからとか、そんなのは関係なくて。

結局最後は『澁谷かのんにとって何が大切なのか?』それが全てだと思うんです。

 

今は今しかありません。

結ヶ丘のLiella!のスクールアイドルでいられるのは、限られた時間を大切に出来るのは、後1年しかない。

 

でもかのんちゃん"だけ"の夢を、スクールアイドルでなくなった先の未来で、『世界中の人を歌で笑顔にしたい』。

そんな"今"を作れるチャンスを、逃してしまうかもしれない。

 

彼女の幼い頃の夢が、どれほど切実なのか。

スクールアイドルとして歌う今が、どれほど大切なのか?

 

でもひとつだけ確かなのは、どちらも

『スクールアイドルと出会えたから始まった夢』

『スクールアイドルと出会ったから"再び"始められた夢』

 

どちらもスクールアイドルが大切だから、大切になったもののはずなんです。

『みんなで叶える物語』も『私を叶える物語』も、スクールアイドルがいたから、今も消えずに残っているはず。

 

あなたには、そういう大切なものがありますか?

ラブライブ!と出会ったから、スクールアイドルといたから生まれた、諦めていたけど、また見ることができた『夢』はありますか?

 

あなたは夢のために、ラブライブ!から離れられますか?

どうしようもないほど願う夢を見てますか?

夢のために、ラブライブ!と共に走る時間を手放せるような。

 

ラブライブ!が大切じゃないから手放せるんじゃなくて。

大切だから手放さなきゃいけない。

そんな切実な願いはありますか?

 

スクールアイドルといるために、スクールアイドルからもらった夢を手放すか。

スクールアイドルから貰った夢のために、スクールアイドルから離れるか。

 

これは答えのないことです。

 

なにが正しくて、何が間違ってるかなんてわからない。そんなものはないと思います。

 

ただ『後悔』はして欲しくないんです。

 

どんな結果になろうと「自分は間違ってない」って、自分の進む道を肯定できるのは自分しかいないから。

 

かのんちゃんがそう思えるような、これから先も「何も間違ってなかった」っていえる未来があることを願って、最後まで見届けたいと思います。