スパボの掬い場

ラブライブ!への大好きを叫ぶ場所。

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"あなた"の輝き、それはラブライブ!の物語。

 

お久しぶりです。スパボです。

 

今からみなさんがびっくりすること言いますね…!

 

なんと、虹ヶ咲5thまで3日切ってるんですよぉぉぉぉぉぉ!!!!!えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????

 

はい茶番です。

まぁそれはそうとして、本当にもう5thまで時間がないですよね。

みなさん今なにしてますか?アニメを見返したり?今までのライブを見返したりしてますか?

 

僕は『アニメ虹ヶ咲ってなんだったんだろう?』ってことに思い馳せていました。

 

アニガサキ2期、僕的にはものすごく刺さったというか、自分にとって大切な物語のひとつになりました。

アニメ虹ヶ咲がくれたもの、届けたかったこと。

それを受け取って熱くなった気持ち。

 

2期を見終わってから、漠然と心にありながら中々形にする機会がないままでしたが、5th前の今「ここしかない!」そう思い立ち筆を取りました。

 

侑ちゃんが見せてくれた、"あなた"が見せてくれた輝きについて。

アニガサキって物語はなんだったんだろう?

5th前に考えてみました。

 

 

①夢の始まり

 

まず夢が始まる瞬間っていつでしょう?

 

僕はそれを『照らされた瞬間』だと思っています。

生まれたのはトキメキ 惹かれたのは輝き

あの日から 変わりはじめた世界

TOKIMEKI Runners

虹ヶ咲始まりの曲でも歌われてるように、輝きに惹かれ、トキメキが生まれた時こそ物語が始まる合図だと思います。

 

じゃあそもそも、その始まりにあるトキメキっていうのはどういう気持ちなのか?

僕は"衝動"だと思います。

最初に見た光 手を伸ばした時が始まりさ

LIVE with a smile!

とにかく走りたい!夢を追いたい!

そんな気持ちがはやるような瞬間。

惹かれた眩しい光に手を伸ばしてみたくなるような衝動的なもの。

 

そう考えると、『夢が僕らの太陽さ』って曲名にも思うことが出てくるんですよね。

どんな時も 夢が僕らの太陽さ

風が雨が激しくても 思い出すんだ僕らを照らす光があるよ

夢が僕らの太陽さ

太陽は常に自分を照らしてくる。

例え雨の日でも、雲に覆われて見えなくても、間違いなく消えずにあり続けている。

 

かつて先輩スクールアイドルは『夢は消えない』と歌いましたが、まさしく太陽のように、どんな時でも夢は消えずに照らしてくる。

 

そしてもうひとつ、僕は夢と共に消えずに輝き続けているものがあると思っています。

それは『始まりのきっかけ』です。

 

そう思う根拠のひとつとして、7話のEMOTION曲中で、栞子が羽根を見つけるシーンに注目したいです。

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このシーン、ラブライブ!では共通の演出になっていますが、虹ヶ咲しか見てない人は突然出てきたので「なんだこれ?」ってなると思います。

 

これに関してはラブライブ!サンシャイン‼︎の監督である、酒井和男監督が解釈を話してくださっているので、それを抜粋したいと思います。

μ'sがくれた"夢"に羽根があったとしたら、風にのってバーっと飛んで、いっぱい散らばって。

おそらくAqoursみたいなスクールアイドルたちは全国にたくさんいて、その羽根はみんなに平等に届いてます。

その時は見えなくても、その瞬間に心が動いて「なにかをやらなくちゃ!なにかを始めたい‼︎」と思ったきっかけがその羽根だと思います。

ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメオフィシャルBOOK Sunshine!! 93p 酒井和男監督インタビューより

羽根はなにかを始めたいと思えたきっかけ

 

栞子にとってそれはスクールアイドルとして活動していた薫子さんの姿を見た時でしょう。

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あの羽根は、憧れの姉の姿を見て「スクールアイドルを始めたい!」そう思った時に、すでに栞子の元へ降りてきたんです。

 

けれど、夢叶わず破れた姉の姿を見て、栞子は夢と共に「きっかけ」も心に封じてしまいました。

それでも、どれだけ月日が経とうと、栞子が忘れてしまっていても、きっかけは変わらず輝いていて、栞子に夢の場所を教えてくれていました。

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夢が太陽のように消えずに輝いているものなら、『始まりのきっかけ』も、夢と一緒に自分を照らし続けてくれているんです。

例え見えなくても、その瞬間に気づかなくても、どんな時でも自分を照らしてくれている。

 

この演出を受け8話を見てみると、それは侑ちゃんにとっても例外ではないのだと分かります。

 

高咲侑にとっての"始まり"、照した太陽は優木せつ菜ですよね。

それはどんな時も変わらず、侑ちゃんの心を照らしてくれているのです。

 

そう思感じるのが、8話の自身のトキメキについて気づくシーン。

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自分の作る曲が喜んでもらえるか、自分が同好会にいる答えになるのか?そんな戸惑いの中、聴こえてくるせつ菜ちゃんの歌声が侑ちゃんの原点を思い出させる。

 

このシーン、"歌だけ"が侑ちゃんに届いてるのが印象的ですよね。

見えてないけれど、その声で確かに侑ちゃんは自分の原点を思い出します。

 

みなさんは歌の中に閉じ込めてある思い出とかありませんか?

聞けば思い出すような、聞いていた当時の自分を思い出す、タイムカプセルのような役割を持つ歌が。

 

ならば"きっかけ"も同じく、歌と共に思い出せるのではないでしょうか?

侑ちゃんにとって、自分の原点を思い出す栞代わりになってくれるのが、せつ菜ちゃんの歌なのです。

 

他にも"きっかけ"としてせつ菜ちゃんを意識してるシーンはあって。

例えば2期13話の、ファンからメッセージを受け取ったあとのシーン。

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ガーデンシアターの天窓からせつ菜ちゃんの家であるマンションが見えていたり。
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1期opのせつ菜ちゃんのカットが意識された構図があったりと、凄く"せつ菜ちゃんが始まり"って意識させてくるシーンがあるんですよね。

いつも高咲侑は、始まりの優木せつ菜に照らされているんだって感じさせられます。

 

夢が消えないなら、きっとその夢の始まりになった憧れや輝きも、どんな日でも消えることはない、いなくなることはないんですよね。

(優木せつ菜はいつもあなたと一緒にいるんだ……)

 

●"輝き"とは

さて、ここで『輝き』という言葉に焦点を当ててみましょう。

ラブライブ!で使われる"輝き“という事象は、何種類かの英単語で表現されますね。

 

shine、bright、sparkling、twinkleここら辺でしょうか?

勿論輝くと一言で言っても、煌めく、瞬くと、それぞれ様が違いますね。(brightは光がより強いニュアンスがあったり)

 

ただSUNNY DAY SONGを受け、sunshineから繋がり始めたラブライブ!シリーズの軌跡、そう考えればラブライブ!の中で広く使われてるのは「shine」でしょう。

 

shine は太陽などが発光する様、物が反射して光る様として使われます。

自分だけで輝いてるのではなく、

『誰かに照らされて輝く』

自分が誰かを照らす存在になる前の鍵、きっかけになった輝きがあるということ。

 

それこそスクールアイドルの物語の始まりの鍵ですよね。

今誰かを照らすスクールアイドルの輝きは、かつて誰かに照らされて生まれてきたのです。

 

μ'sの始まりにはA-RISEの輝きがあったように。

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μ'sから輝きを受け取ったAqoursが、また人々を照らす。
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これがラブライブ!で描かれてきた輝きの在り方でした。

輝きとは伝播していくものなのです。

 

それは虹ヶ咲という物語の始まりも例外ではありませんでしたよね。

優木せつ菜というスクールアイドルの眩しい輝き、その輝きに魅せられて、2人の少女の物語が始まるわけです。

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スクールアイドルの眩しさ、限られた一瞬を駆け抜ける少女達の尊さ、夢を追う存在の輝き

それを伝えるのに、スクールアイドルを見つめる子達の目は十分なほどトキメキに溢れています。

 

このカットにこそ、『輝き』とはなにか?

そして、虹ヶ咲だからこそ『輝き』は外して語れないってことが詰まっていると思います。

 

突然質問ですが、あなたは自分がどんな色をしているのか?どんな風に人に見えているか分かりますか?

 

多分正確に答えるのは、難しいと思います。

だって自分自身のことは自分では見えないんですから。

 

同じく輝いているということを知るには、その輝きを受け取ってくれる存在が必要です。

せつ菜 侑さんからはそんな風に見えているんですね…

私たちに見えるのは、ステージからの景色だけですから。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1期10話より

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せつ菜ちゃん達スクールアイドルが、ステージの外から見える自分のことを、自ら知る方法がないように。

彼方 侑ちゃんだけじゃないのかもね。

実はみんな、人のことはよく見えてて、自分のことはよく見えてなかったりするのかなぁって。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期3話より

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QU4RTZの面々がお互いがお互いの特徴を教え合うことで、自分の良さを改めて知ったように。

 

同じく自分が輝いているということを観測してくれる人がいることで、初めて『輝いてる』ということを知れるのです。

つまり『輝く』という事象は、スクールアイドルの輝きを受け取るひと、その姿に心が動かされた人が現れることで『輝いていた』と証明されるわけですね。

 

そして『他人から見える自分』この価値に気づくことが、他者の存在があるゆえに衝突から始まった虹ヶ咲で描かれることに、僕はとても価値を感じます。

 

虹ヶ咲とはパーソナルスペースの侵害。

自分だけの空間を、他者に侵害されることから始まった物語です。

 

誰かと自分の好きなことは違うから、衝突してしまうこともある。

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誰かから背負わされる期待が、自分を縛ることもある。

時に他者の存在は自分の「こうありたい」という願いを阻害するかもしれない。

 

けれど、自分を見つめる誰かがいなければ、自分から見えない自分を知ることは出来ない。

 

他者の視点がなければ知ることができない、1人では知ることができない『輝き』は、虹ヶ咲という作品だからこそ、僕は外しては語れないテーマだと思います。

1人で活動するけど、独りでは自分の可能性を知ることはできない。

 

虹ヶ咲のソロ活動とは1人であっても、独りになってはいけないのです。

そして己がどんな存在か?今誰かを照らせているか?

これを知ることこそ、虹ヶ咲のメンバーが誰1人として独りではないという証です。

 

②あなたの"輝き"

 

さて、輝きの重要性を語らせて頂いたところで本題に入ります。

このスクールアイドルの輝きというのは、今までのラブライブ!でも描かれ続けてきた、普遍的テーマのひとつでもあります。

 

じゃあなにが虹ヶ咲という作品を、唯一の物語にしているのか。

それは『輝きを受け取り、放つのがスクールアイドルだけではない』ということを描いてるということ。

僕はこれこそ虹ヶ咲という物語の真骨頂だと思っています。

 

スクールアイドルの物語の始まりには、自分を照らしてくれたスクールアイドルの存在がある。

これは先ほども話した通り、『きっかけ』ですね。

 

スクールアイドル一人一人、それぞれが自分を照してくれた太陽を持っています。

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そしてそれは"あなた"である侑ちゃんもそうです。

彼女にとって夢の始まり、きっかけとなってくれた優木せつ菜、スクールアイドル達がいます。

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ならその後ろには?

この輝きの繋がりは、高咲侑の中だけで終わってしまうのか?

 

そうじゃないんですよね。

高咲侑もまた、誰かを照らせる、誰かのトキメキのきっかけになれるのでは?

高咲侑の後ろにも照らされた人たちがいるのではないでしょうか?

 

先程も言及した通り、輝きとは伝播していくものです。

虹ヶ咲風に言えば「トキメキが広がっていく」でしょう。

そしてそれは、スクールアイドルという存在には留まらない。

 

それこそが虹ヶ咲が描いてくれた『あなたの物語』だと僕は感じています。

 

ラブライブ!になるまでの物語

さて、そもそもの疑問なのですが"あなた"の物語とはなんでしょう?

僕はステージ上だけでなく、ステージの外、スクールアイドルの輝きを受け取り、何かを始めようとする人々全ての物語のことだと思います。

 

そしてこの概念をラブライブ!』と呼ぶための作品が虹ヶ咲だったのだと僕は思います。

 

そもそも"あなた"の物語は、ラブライブ!に含まれてはいなかったからです。

そういう意味では、"あなた"と虹ヶ咲の境遇は似ていると僕は感じます。

 

かつて虹ヶ咲というコンテンツは、スクスタというゲームをメイン媒体とする外伝作品的立ち位置でした。

悪く言ってしまえば、『μ'sとAqoursが同じ世界線で活動する』物語をメインとしたゲームのために生まれた存在でした。

 

PDPが始まった時、スクスタのリリースが決まった時、μ'sとAqours以上に虹ヶ咲に注目していた人たちはどれだけいたでしょう?

 

その看板にラブライブ!の名前を刻むことを許されなかったスクールアイドル達の物語。

それが虹ヶ咲の始まりだったわけです。

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そんな虹ヶ咲のメンバーが、2019年の1stライブで発表されたアニメ化。

予定されてなかった、虹ヶ咲と応援していた"あなた"が掴んだアニメ化。

虹ヶ咲がラブライブ!になった日』だったと感じます。

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ただラブライブ!の看板を背負った後でも、虹ヶ咲はラブライブ!かどうか?』この問いは、虹ヶ咲の活動について回っていたと思います。

 

そしてその問いに、真っ向から答えるために描かれたのがアニメ虹ヶ咲1期だったのでしょう。

 

それを語るには、アニメ1期のこのシーンが鍵なんだと思います。

菜々 何を……もう、全部分かっているんでしょう!私が同好会にいたら、みんなの為にならないんです!

私が居たら、ラブライブ!に出られないんですよ!

侑 だったらラブライブ!なんて出なくていい!

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1期3話より

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この一言は、今までひとつだけの栄冠を目指し走る、少女達の群像劇であったラブライブ!を見てきた人達に、特大の威力を持って刺さりましたよね。

 

菜々ちゃんのように『スクールアイドルを知っている人間』にこそこの言葉は新しくもあり、そして懐疑的にもなったと思います。

ラブライブ!に出ないの?そんなラブライブ!ってあるの?

 

それってラブライブ!なの?

侑 私はせつ菜ちゃんが幸せになれないのが嫌なだけ。

ラブライブ!みたいな最高のステージじゃなくていいんだよ、せつ菜ちゃんの歌が聞ければ十分なんだ。

スクールアイドルが居て、ファンが居る、それでいいんじゃない?

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1期3話より

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あるんです!!!!ラブライブ!なんです!!!

 

ファンがいて、スクールアイドルがいれば、ラブライブ!になれるんです!!!

 

そう言わんばかりの1期の新鮮さがあったことは、もう僕が語るまでもないでしょう。

ですが間違いなくそこにあったのは、それぞれが夢に向かい、時に泣き、それ以上に笑い合うスクールアイドル達の物語でした。

 

しかし、それだけが虹ヶ咲をラブライブ!たらしめたのではありません。

僕が面白いなぁと思うのは、あの作品はアニメの中だけで完成されている物語ではなく、画面の向こうの僕らが『これもラブライブ!だね』と受け入れることで、高咲侑の言葉は意味を帯びるのです。

 

ただ高咲侑のひとりよがりな言葉ではない。

彼女達スクールアイドルの姿を、"あなた"である僕らが受け止め、知ることで、"あなた"代表の高咲侑の言葉は真になり、虹ヶ咲という作品はラブライブ!と証明されるわけです。

 

アニメ1期は『ラブライブ!に出なくてもこれはラブライブ!なんだ』と、"あなた"と共に証明するための物語であったと思うんです。

 

そう考えると虹ヶ咲はどこまでもリアルタイム、共に走ってる一体感を味わえるコンテンツとなっている訳です。

 

●スクールアイドルだけじゃない

 

そんな1期を経たアニメ2期は一気に毛色が変わったというより、誤解なく言うとラブライブ!らしくなった』という感覚があります。

 

先ほども言及した羽根の演出だったり。

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受け継がれてきた優勝旗だったり。

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彼方さんの巨大書道だったり。

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スクールアイドルが絡む演出には、今までのラブライブ!を踏襲したような演出が施されていたのが印象的です。

虹ヶ咲も受け継がれ繋がってきた、ラブライブ!シリーズの一員であると言ってくれてるような、そんな演出の粋さを感じます。

 

ただそれは『虹ヶ咲のスクールアイドルの物語が』に留まっていました。

 

そう、僕はアニメ2期の物語は

『"あなた"の物語も、ラブライブ!なんだ』ということを、証明するまでの物語だったと思います。

 

確かに侑ちゃんは、スクールアイドルのようにステージ上でキラキラしようとしてる存在じゃない。

でも、そんなこと関係ないと思うんです。

 

ステージに立たずとも、生まれたトキメキを自由に表現しようとする姿に、きっと人は思わず惹かれてしまう。

色んな人にスクールアイドルを好きになってもらおうと、スクールアイドルを支える姿に。

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スクールアイドルの輝きを受け、自分のトキメキを表現しようとすることに。

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画面の中だけじゃない、向こう側の僕らもそんな彼女の姿に、トキメキを覚えたはず。

 

ステージの外にあった物語は、どこまでも輝いていたと思うんです。

きっとそこに、スクールアイドルだとか、そんな立場は関係ないのかもしれません。

 

そんな侑ちゃんの姿に照らされている人が現れた時。

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侑 向いてないとか、遅いとか、そんなの全然関係なくって。

うまくいかないことも一杯あるかもしれないけど、その時は私たちがいるから!元気が欲しい時は会いに来て!

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル達同好会 2期13話より

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侑ちゃんが自分の輝きを自覚した時。

 

ステージの外にあった"あなた"の物語は、スクールアイドルと同じ場所に、ラブライブ!の物語となったのだと思います。

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そしてこの物語が認められたことで、最終回のedの演出にも変化が現れています。

 

通常虹ヶ咲のエンディングは、

本編が終わる→エンディングのイントロが流れる

ってキッチリと本編とedが分かれてる方式ですよね。

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このNEO SKY,NEO MAP!のイントロの傘が咲いていくシーンなんかは、虹ヶ咲だからこそ出来る演出ですよね。

 

対して虹ヶ咲以外のラブライブ!シリーズは

『流し込み』という演出を採用しています。

 

流し込みとは、本編中にエンディング曲が流れ始め、そのままed映像へ切り替わるという手法です。

元はシティハンターで使われた手法として有名で、今季のアニメだとリコリス・リコイルが使ってますね。

 

この流し込みを唯一行わない、というのがアニメ虹ヶ咲がシリーズの中でも新鮮さを持っていた理由のひとつでもあると思います。

 

ただ、それが最終回だけは流し込みの演出を行なっているんですよね。

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この侑ちゃんが虹を見上げ、微笑むカットから既に『夢が僕らの太陽さ』が挿入されているんですよね。

 

スクールアイドルではない少女がフォーカスされながら、ラブライブ!特有の演出が行われる。

"あなた"もラブライブ!シリーズを受け継ぎ、繋いでいく一員である、その証のように僕は受けとりました。

 

夢がなかった少女が夢に気づき。

そして『夢』について体験した2期。

 

自分が同好会と、スクールアイドル達と一緒にいる意味ってなんだろう?

自分のトキメキはなんだろう?

1人の"あなた"が悩みながら、夢と向きあい、スクールアイドル達と共に走る姿は、間違いなく僕の知るラブライブ!でした。

 

TOKIMEKI Runners、"あなた"も間違いなく夢へ向かって走る者達の1人。

『みんなで叶える物語』の一員でした。

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③身近にある輝き

 

さてここまで長々と虹ヶ咲の中にあった、あなたの物語について話させていただきました。

 

ただ"あなた"の物語という概念に関しては、別に新しいものではないんです。

μ'sの頃からラブライブ!の物語に照らされ、心に生まれたトキメキを、それぞれの在り方で表現してきた方たちがいました。

 

絵師さん、弾いてみた界隈の方々、文字で表現される方々、コスプレ、様々な形で僕らの目に飛び込んできていましたよね?

僕らの身近には、ラブライブ!の輝きを受け、

『あなたを照らしてくれる"あなた"』がいたはずです。

 

あなたの物語は、たしかにラブライブ!の中にありました。

 

でも『そんな物語もラブライブ!』とあちら側が呼び始めたのは、本当に最近のことです。

その最たる例はラブライブ!daysなんかじゃないでしょうか?

 

かつて同人活動をしていた方々を、公式絵師として声をかけられ、今ラブライブ!を届ける側に立っている。

ステージの外にも、スクールアイドルに魅せられた人たちが、ラブライブ!を支えているこの構図こそ、あなたの物語がラブライブ!となった証だと感じます。

 

でも、"あなた"の物語は今も変わらず身近にあるものに違いないと思っています。

 

侑ちゃんの曲だけじゃない、服飾同好会の作る衣装が。

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今日子ちゃん達の作るクッキーが。

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次の"あなた"を照らし、トキメキを渡せるかもしれない。

 

なんだっていいんです。

誰より特別じゃなくていい、スクールアイドルの輝きを受け取って、『何かを始めたい』そう思って走り出したあなたの姿は誰かを照らせると思うんです。

その姿が誰かを照らしているなら、誰かの心に届いたなら、それは『輝いてる』と言えるはず。

 

僕自身ラブライブ!から受け取ったもの、というのはステージに立つ存在達からだけではありません。

同じく客席側からステージを見る人たちにも、僕は輝きを見ました。

 

文字に、音楽に、会場に架かった虹に。

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会場に架かった虹の始まりはなんだったのでしょう?

きっと光のひとつひとつ、それぞれ持っている理由は違うでしょう。

 

ただ僕は、"あなた"がスクールアイドルの輝きに応えようとする姿に、輝きを見ました。トキメキが生まれました。

ステージに立たなくても、スクールアイドルを追いかけ、共に駆け抜ける人たちの姿は輝いていました。

多分スクールアイドルだけじゃない、そんな"あなた"の姿を見てきたから、僕はラブライブ!というコンテンツに目を奪われたんだと思います。

 

ある意味で僕は、高咲侑に照らされた"あなた"の1人と言えるかもしれません。

 

だから、あのFuture Paradeでかかった虹は、きっと同じような理由から生まれたんじゃないか?そう思うんです。

自分達を照らしてくれた同好会のみんなに応えたい、何かしたい、トキメキが生まれたからこその行動だったんだと思うんです。

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そして、あの場にいた人たちが架けた虹が、また別の"あなた"へ新しいトキメキを広げていく。

 

スクールアイドルだけではない、"あなた"にも虹をかけることができる。このトキメキを繋いでいくことができる。

 

僕は"あなた"たちの物語だって、『ラブライブ!なんだよ』と示すための物語が、アニメ虹ヶ咲と言いました。

けど正確に言えば

ラブライブ!になり得る物語』だと思います。

だって、あなたの物語がラブライブ!であることを証明できるのは、あなたしかいないから。

 

スクールアイドルに見た輝きを、生まれたトキメキをどうするかはあなた次第なんだと思います。

夢は気づけば見るもので、「見よう!」として見るものじゃないから、強迫観念のように見よう見ようとするものじゃないです。

 

けれどもし、「何かをしたい!」と心が動く瞬間がきたなら。

 

次はきっとあなたの番。