スパボの掬い場

ラブライブ!への大好きを叫ぶ場所。

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叶わなかった夢と、栞子の『心の鍵』。

 

みなさんこんにちは、スパボです。

 

先週僕は、2期6話を見て「救われた」と書きました。

 

今週も救われました。

僕にとって、2年半呪いになってた物がようやく消えた気がします。

 

栞子のこと、ちゃんと見るのが怖くてずっと目を逸らしてたんですけど、でも向き合いたいとも思ってて、でもそうする事が出来なかったんです。

 

けどこのお話のお陰で僕はようやく、ちゃんと栞子と向き合えました。

 

だから今回は、薫子さんの夢、栞子の夢は『全て無駄じゃない』って想いと、僕の栞子への想いを収めたそんな記事になっています。よろしくお願いします。

 

 

①叶わなかった夢

私たち3年生は、今日でスクールアイドルを引退します。

ラブライブ!本選出場は…叶わな…かったけど……

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

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叶わなかった夢。僕は夢を語るなら絶対目を逸らしたくない、いえ、これを読んでるあなたにも、逸らしてほしくないと思うテーマです。

 

ラブライブ!という競争の場所を目指す以上、もちろん勝ってその名前が刻む人がいるように、スポットライトに当たらず、名前すら残せないスクールアイドルもいますよね。

 

薫子さんは、栞子の姉だからこそ、僕らの中に名前が刻まれますけど、でも後ろにいる薫子さんの仲間は、他のスクールアイドルはどうでしょう?

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多分薫子さん以外の人って、僕らにとっては名前すら残らない存在のままなんですよね。

それくらい、夢を追うって行為は残酷に噛み付いてくる。

 

勿論、『じゃあ叶わなかった夢が無意味だったか?』といえば、そんなことはないんです。

だって、薫子さんがこうして教師を目指してること、今笑えてる事がその証拠なんじゃないかなって。

薫子 懐かしいわね…!

薫子 私たちの代ってパッとしなくてさ…ラブライブ!も予選落ちだしさ。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

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予選落ちした過去も、自虐混じりに話していられることが、薫子さんの中でその思い出がちゃんと意味あるものになってるから。

あの時代のことが、薫子さんの中で輝いているから、今もそれを支えに生きていられる。

 

失敗も後悔も、自分だけに価値のあるものにすることが出来るんです。

でも、そうやって想いを片付けられない人もいるんです。

 

僕は『夢が叶う』って言葉は当たり前じゃないって思ってます。

 

以前『夢が叶う』という歌詞についてフォーカスして、記事を書かせていただきました。

その際にも引用した言葉を、また引用したいと思います。

「夢は叶うよ」という言葉って、古くから言われていますよね。これって、実際には必ずしもそうならないからこそ生まれた言葉だと思うんです。誰かにその言葉を言われて励まされた人も、その人が困難な局面に立っているからこそ響いたはずで。それは僕が言うまでもなく、誰もが身を持って知っていることだと思います。

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必ずそうならないからこそ、「夢は叶う」と人は歌うのでしょう。

当たり前じゃないから、叶わないから『夢は叶う』って歌う歌は沢山あるんです。

 

だってそうであって欲しいから。

聞いてくれるあなたにとってはそうであって欲しい、という切実な願いがあるだろうから。

 

だから侑ちゃんは、僕らは1期で、スクールアイドルからそんな歌を貰いましたよね?

踏み出そうよ New Stage

きっと大丈夫だよ 誰より知ってる

願いは叶うよ!

夢がここからはじまるよ

夢は時に残酷だからこそ、その言葉は夢を踏み出す人へ向けたエールになる。

そして、同好会のみんなが『夢を叶える姿』があったからこそ、そのエールはより強く届いたはずです。

 

でも、『叶わなかった夢』を見せられた人には、夢ってどう映っているんでしょう?

その後夢へ進む勇気を、見つけることが出来たんでしょうか?

 

薫子さんの『叶わなかった夢』を。

憧れの姉が、努力し続けた姉が夢敗れ泣いてる姿を、

夢を始めようとしてた栞子には、どう映っていたんでしょう?

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だから栞子は、スクールアイドルになることを、好きなこと、夢を追うことを諦めました。

 

だって現実は残酷だから。

努力した人が報われるとは限らないから。

どれほど切実な夢も、叶わない時があるから。

 

そして、そこから生まれる苦しさを味わってほしくないから。

私は自分の適性を、最大限発揮できる生き方をしたいと考えています。

それは皆さんの夢をサポートすることです、ステージに立つことではありません。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

好きなことではなく、『適性』という武器で理不尽と戦おうとする。

誰かの夢を支えようとする。

もう応援していた人のあんな姿見ないように。

 

それが栞子の『やりたいこと』になったんですよね。

 

ただ僕はその決意の根底には、彼女の『臆病さ』もあると思っているんです。

もしも、スクールアイドルに適正がないと、最初から分かっていれば…姉さんは不要な後悔もすることはなかった。

私は同じ失敗はしない。いえ、誰だって…そんな想いをするべきじゃないんです

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

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たしかに薫子さんの夢は叶わなかったけど、夢を追った日々が無駄にならないことは、栞子自身よく知ってるはずなんです。

 

だって、薫子さんの『叶わなかった夢』があったからこそ、栞子は今『誰かの夢をサポートする』っていう生き方が出来てるんです。

あの夢を追った日々は、薫子さんにとっても、栞子にとっても、すでに無駄ではないはずなんです。

 

きっと栞子が踏み出せないのは、『私は同じ失敗はしない』って言葉からも、栞子自身が傷つきたくないって思ってるからなのかなと。

 

応援していた姉が砕かれる瞬間を見たから、あんな想いをしてまで、『適正』のない、好きなことをしたくないって封じて、自分の心を守ってるんじゃないかな?と。

 

②臆病者が望む世界

 

でも栞子が臆病だから、その分だけ『そんな想いをしてほしくない』って誰かに思えるんですよ。

傷ついた姉を、そんな姉を見て傷ついた自分がいたから栞子は『誰かの夢をサポートする』って在り方を貫いてこれたんです。

 

臆病な分だけ、栞子は誰かに優しくしてきたんです。

 

そして、彼女の臆病からやってくる優しさが学園を、生徒を、スクールアイドルフェスティバルを支えてくれました。

 

『みんなの夢を叶える場所』を開催するために。

栞子 スクールアイドルフェスティバルの件ですが、文化祭と合同開催にするのはいかがでしょう?

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期3話より

菜々 これも皆さんの協力と、三船さんが作ってくださったプレゼン資料のお陰です。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期4話より

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どちらの『大好き』も失いたくないって思ってた少女のために。

せつ菜 私が…スクールアイドルと生徒会長を両立できたのは、同好会、生徒会、ファンのみんな…そして、三船さん!あなたがいたからです。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

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みんなが夢を叶えられるように。

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時に見守り、力を貸しながら、栞子は多くの人を笑顔にしてきました。

夢が叶うように。夢見て敗れないように。

 

せつ菜ちゃんの大好きが、菜々ちゃんの大好きが、誰かを幸せにしてきたように。

栞子だって誰かを幸せにしてきた。

 

臆病者が望んだ世界に、支えられてきた人たちが沢山いるんですよ。

栞子の『不要な後悔をしてほしくない』って優しさが、せつ菜ちゃんの、菜々ちゃんの大好きを支えてくれたんですよ。

 

だから栞子だって1人じゃないんです。

せつ菜 三船さん、やりたいことしてください。

三船さんが出来ることを大切にしているのは分かります。

そのお陰で、フェスは素晴らしいものになりました。

ですから、今度は私たちに三船さんを応援させて欲しいんです。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

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栞子のことを支えたいって。

栞子の夢だって叶えたいって想ってくれる人がいるんです。

 

けれど、

でも、姉は泣いていました…

夢を叶えようと、3年間努力し続けて……

最後は…泣いていたんです!後悔していたんです!

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

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それだけで、夢が動かすことが出来ないほど、栞子の心は、夢敗れた姉への想いと、失敗への恐怖で固まってしまったんだと思うんです。

 

僕は虹ヶ咲の描くテーマの一つとして、

『自分を進ませるのは自分しかいない』があると思っているんです。

 

例えば、せつ菜ちゃんは侑ちゃんに許してもらったからこそ、再びスクールアイドルになれましたよね?

でもそれは、侑ちゃんの言葉があったからこそ、菜々ちゃんは『自分で自分を許せた』

だから栞子も、自分を前に進ませるきっかけが必要だったと思うんです。

 

ただせつ菜ちゃんと違うのは、それを見つけるには

『大好きを肯定されるだけでは足りない』ということ。

 

彼女が進むためには、

『栞子の夢の呪いを解くこと』

も必要だったと思うんです。

 

僕は叶わなかった夢』は呪いになるといつも言うんですが、それは見ていた本人だけとは限らないんですよね。

それは周りの、その人の夢を応援していた人たちにとっても。

 

もし、もし同好会のみんなが夢叶えられず敗れたとしたら、侑ちゃんは苦しむと思いません?

今まさに夢を始めようとする侑ちゃんに、大きな心の傷を残すと思いません?

 

だから、アニメ1期において同好会のスクールアイドルの皆は『叶わない瞬間』を見せるわけにはいかなかったんです。

もしそうなっていたら、侑ちゃんが夢を進む『勇気』を見つけることは難しかったはず。

 

同じように、栞子は薫子さんの夢を応援していた、薫子さんにとっての"あなた"だったんです。

そして、夢を始めようとしていた"あなた"だったはず。

 

そんな栞子が、目の前で憧れの姉が努力し続けて、それでも敗れていった思い出を抱いて、先に進めるのか?

多分その思い出が何度も枷になって、栞子の足を止めるはず。

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だから同好会のみんなが見つけてくれただけじゃ、まだ足りないんです。

 

それだけでは『夢は叶わないかもしれない』という現実に立ち向かうために必要な勇気、まだ見つけられないんです。

そのために栞子が抱えていた『叶わなかった夢』の枷を、外してあげなければいけなかった。

してないよ、後悔なんて。

たしかにあの時は悔しかった。でも、今ではやってよかったって思ってる。

スポットライトの眩しさも、歌を届ける喜びも。可愛い妹にすごい!って言ってもらう誇らしさも。

スクールアイドルをやって知る事が出来たんだから。

高咲さん達がいう通り、私はあなたが応援してくれたから、幸せな高校生活を送れたと思ってる。

それで今は教師になって、たくさんの生徒を、あなたを応援出来る人になりたいって思ってる。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

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だから薫子さんの、この言葉が必要だったんだと思います。

叶わなかったけど、それでも夢見たことを後悔してはいないんだと。

 

叶わなかった夢があったから、そして叶わなかった夢を応援してくれた妹がいたから、新しい夢が生まれたんだと。

 

栞子もそうだったように、大切な姉にとってもちゃんと、あの日々は無駄ではなかった。

あの思い出は『呪い』ではないんです。

 

それを教えてもらった時、栞子は自分の時を進めるための鍵を、見つける事が出来たんだと思います。

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③心の鍵

 

僕の解釈として、栞子が見つけたこの鍵は、幼少期の栞子が仕舞ってしまった物だと思うんです。

そして、それは『いつか夢を進ませたい』って想いがあった故の行動なんじゃないかな?って。

 

だってもう時を進めなくていいなら、鍵なんて残しておく必要なんてないはずなんです。

 

それでも、かつての栞子が鍵を残しっぱなしにしていたのは、本当は無くしたくなったから。

姉は私に、沢山の胸の高まる思い出をくれました。

そんなもの、現実の前には無意味だと思っていました。

そのはずなのに……私が皆さんを応援しようとしたのは、スクールアイドルから離れたくなかっただけかもしれません。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期7話より

例え無意味だと思っていても、そんな思い出だけで厳しい世界を生きていけるなんて思ってなくても。

彼女もせつ菜ちゃんのように、『大好きをなくす』ことは出来なかったんだと思います。

 

1期3話で菜々ちゃんが、侑ちゃんとやり取りした後、すぐ優木せつ菜になれたのは何故だったのか?って考えたら、『髪飾り』を手放してなかったからですよね。

 

中川菜々がスクールアイドルであるために、必要な想いそのもののような髪飾り。

もうスクールアイドルをやらないなら、いらないはずのそれを、菜々ちゃんは肌身離さず持っていたんです。

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それは、菜々ちゃん自身が、スクールアイドルへの想いを捨てなかったから。

 

もし本当に必要ないなら、『封印』という形で残しとく必要ないんです。

捨ててしまえばいいんですよ。隠しておいたら、誰かに気づかれるかもしれないじゃないですか。

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でも彼女達がスクールアイドルへの想いを残していたのは、『いつか開けたい』ってどこかで思ってたからなんじゃないかなって。

そんな想いを、誰かに気づいて欲しかったからなのかなって。

 

そしてそれを『開けたい』と思わせてくれる人に会えた時、それを置いてきた場所へ、人は向かうんだと思うんです。

 

だからせつ菜ちゃんは、心の奥底に置いてきた自分の想いを目指して潜っていくし。

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栞子は止まってしまった時を動かすために、自分の中で鍵を探すんですよね。

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でも栞子のmvってせつ菜ちゃんと比べて、手こずってるというか『自分の想いへ一直線に進んでいってる』って感じではないですよね。

 

僕はなんとなく、自分の時を進ませる鍵を『どこにしまったのか分からなくなってる』状態なんじゃないかな?って思うんです。

 

栞子の想いって、せつ菜ちゃんと違って、3日前とか2日前の最近じゃなくて、何年も前とかそれほど昔に止めてしまったなんですよ。

 

幼い頃に止めてしまった想いを、どうやって進めればいいのか、その鍵がどこにあるのか、ずっと思い出せなかったんだと思うんです。

 

でも、その目印になってくれたのが『薫子さんの夢』だったんじゃないかなって。

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(栞子が見つけた羽根が半分青色なのは、ラブライブ!シリーズで『叶わなかった夢』を抱えていたのは、Aqoursだけだったから同じ色してるんだと思います。)

栞子は、薫子さんの『叶わなかった夢』に直面したことで、スクールアイドルへの想いを諦めてしまいました。

だから、栞子の『スクールアイドルへの憧れ』と『薫子さんの夢』は同じ場所に仕舞ってあったんだと思います。

 

薫子さんの『叶わなかった夢』は当時のままの色で、栞子の止まってしまった時を動かすための鍵を見つけるための栞になっていてくれたんです。

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僕にはこの表情が、『よかった…あった』って、そんな安堵の表情に見えます。)

これは僕の想像なんですけど、栞子のスクールアイドルの想いがずっと消えなかったように。

薫子さんの夢も、閉じてしまった想いを栞子が見つけにきてくれるのを待ってたんじゃないかなって。

 

叶わない夢も、心に隠した憧れも。

無意味なことなんて、ないんだと思います。

 

夢を追って、応援して、胸を熱くした日々がちゃんと今の自分の鼓動と生きてる。

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そんな鍵を見つけたら、驚くほど簡単に、栞子の夢は始まるんです。

 

④ずっと言えなかった、『好き』

 

ここからほんの少しだけ、アニガサキ2期への感謝と、僕の栞子への想いを書かせてください。

 

最初に言っときます。

多分読んでくれてるあなたを、傷つけるであろう言葉を使います。

でもあなたに嘘はつきたくないので、僕の抱え続けた想いを、そのまま書きます。

 

 

 

僕は栞子のことが嫌いでした。

彼女が虹ヶ咲に加入すると決まった時、このコンテンツから離れようと思ってました。

 

でもただひとつ誤解しないでほしいのは、スクスタの栞子を否定したいわけじゃないんです。

栞子が悪いってわけじゃないんです。

 

栞子は魅力的な人間だと思います。

 

現実の厳しさを知るからこそ『適正』という武器を持ってそれらと戦おうとする姿も。

僕は素敵なところだって知ってました。

 

でも、それを知ってても、僕は栞子を許したくなかったんです。

 

先週の記事でも書いた通り、スクスタの中川菜々は生徒会長という在り方を、好きになることは出来ませんでした。

 

それは、菜々ちゃんの周りの環境がそうさせてくれなかったから。

だからきっと、いつか菜々ちゃんには限界がきて、『大好き』と向き合う日がきたと思います。

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それにただ1人気づいた栞子が、菜々ちゃんに引導を渡して、菜々ちゃんに進ませるきっかけをくれました。

彼女は間違いなく、中川菜々を救いました。

 

『否定』って、時に優しいんです。

ランジュが侑ちゃんに、『それで本当に夢って叶うの?』といわんばかりに、厳しく言ってくれるように。

今までの菜々ちゃんの在り方を栞子が否定してくれたから、中川菜々は、優木せつ菜は救われました。

 

せつ菜ちゃんは、それを認めていました。

栞子がいたから、せつ菜ちゃんは自分の大好きと向き合えたと。

栞子は優しかったんです。

ただ、それを僕が許せなかっただけ。

 

僕だけが受け入れられなかったんです。

例えせつ菜ちゃんが許せても、僕は好きな人が傷ついてた事がほんとに辛かった。

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栞子と戦うために大切なものを投げ出してもがいてる姿が、それでも負けてしまった彼女の絶望が、僕は苦しかった。

だから、好きな人を傷つけた栞子を許したくなかった。嫌いでした。

 

でも、話が進むにつれて気づいたんです。

栞子もせつ菜ちゃんと同じ、『傷ついた分だけ優しくなれる人』だって。

 

この子は多分、僕が世界で1番好きなタイプの人間なんだって。

 

でも僕自身、硬く閉じてしまった扉の開け方がわからなくなってました。

『嫌いだ』って気持ちで閉じた、栞子への想いをどうやって進ませればいいか分からなかったんです。

 

「許せない」から、『許したい』に変わった時には、どうやって許せばいいのか分からなくなりました。

僕も鍵を探してたんだと思います。栞子への想いを進ませるための鍵を。

 

だから7話を見て、アニガサキ2期を見て、ようやく見つけることが出来ました。

 

菜々ちゃんの大好きを貫けた姿、彼女が笑えた姿

そんな菜々ちゃんを支えてくれた、栞子の姿を。

姉が、自分が傷ついた分だけ、誰かに優しくあろうとする姿を。

 

そしたら『ここにあるよ!』って、鍵のありかを教えてもらいました。

 

ずっと見つけられなかったけど、ちゃんとずっとあった鍵を見つけられました。

そしたら僕も、鍵を回すことが出来ました。

 

だから、本当に遅くなってしまったけど、ようやく栞子に言えます。

ちゃんと育ってたけど、ずっと言えなかった言葉を。

 

今までごめんね。

君のことが好きです。