素晴らしい映画と劇場に感謝を 音に泣かされた 幕張新都心に行った話
1.最初に
皆さんおはこんばんにちは。
劇場版ラブライブ!サンシャイン‼︎ over the rainbowが公開されてからはや3ヶ月以上が経ち、もう上映している劇場はごく僅かとなってしまいました。(我が地元愛知県は全滅です)
皆さん何回見られましたか?僕は3ヶ月で13回しか見ることが出来ませんでした…
僕個人としてめちゃくちゃに好きな映画なのでもっと見たかったというのが本音なのですが…
さてそんな僕が先日これで「劇場版は最後だ」と決めて鑑賞しに行かせていただきました。
ずっと「何があっても絶対にここで劇場版を見たい…」と思いつつも予定が噛み合わず歯がゆい思いをしていたのですが、4月14日でそこの上映は終了してしまうとのことでキツキツのスケジュールで行かせていただきました…
そう勿論幕張新都心さんが誇るULITRA設備による、酒井監督、長崎音響監督立会いの元音量調整を行った最高音質の劇場版ラブライブ!サンシャイン‼︎
僕と同じようにここで見るために幕張に行かれた方、通われた方沢山いらっしゃると思います。
Twitterや知人を通して「ここは最高だ最高だ」と何度も聞かされ…
僕に金曜夜から土曜早朝にかけての名古屋から千葉までの弾丸ツアーを敢行させたとんでもない劇場でございます。
因みに当日の夕方はアジアツアー千葉が行われていましたね…(行きたかった)
夜の幕張メッセはアジアツアーが明日も行われるなんて感じさせないほど閑静としてましたね。
念願の…ULITRA…最高音質のラブライブ!サンシャイン‼︎…もうこの時点で感無量で泣いてしまいそうでした…
そしてまさかのフィルムが残っていたんです…
中身は
「そうだよ教えてよ、鞠莉ちゃん」とお母さんから逃げる理由を問い詰める千歌ちゃん達のシーン
(この後行われる結婚大喜利で鞠莉ちゃんがずっと真顔のまま直立不動なのは、なんのためらいもなく果南ちゃんが言ったことに呆れたのか…結婚大喜利がアホらしすぎたのか…)
そして「うう…道迷っちゃいそう…」のルビィちゃん!うゆかわ
自分は深夜の普通の上映と応援上映に行きましたが、どちらでもおそらく全員フィルムが行き渡っていました。
提供していただいた松竹の関係者様本当にありがとうございます…
そして上映前にまさかの劇場スタッフさんからのありがたいお言葉…
本当にラブライブ!と関わっていると何度も何度も溢れてしまう感情なのですが
「感謝の言葉を言うのはむしろこっち側なんだよ!」と大きな声で言いたくて仕方なかったです。
ここまで幕張新都心さんが頑張って上映していただかなければ、スケジュールが合わず僕は最高音質の劇場版を見ることが出来ずずっと後悔していたかもしれないです。
そんな中でむしろ来ていただいたファンのために幕張新都心さんの方から感謝の言葉を頂けるなんて思わず、人の暖かさに胸がいっぱいで上映前からジンとしていたものです。
ここでも言わせていただきます…
幕張新都心さん本当にありがとうございました!!!!!!
あっフォトセッションはルビィちゃんでした。うゆかわ
2.最高の舞台装置として機能する音
さてそれで「結局最高音質のラブライブ!サンシャイン‼︎はどうだったんだよ!」というお話なのですが
はっきり言わせてもらいますよそのためにわざわざこんなもの書いてるんですからね。
普通の劇場での映画を100とすると…
幕張新都心さんは200…いえ400といっていいでしょう!!!
そんな!!!2倍の2倍ってこと!?
はい茶番です。
ですがこの言葉は嘘ではありません。
はっきりいってここで見た後他の劇場では見れないなと思わされました。
まず全ての音の奥行きが違います。全くと言っていいほど違います。
人がどこから歩いてくるのか、どこから話してるのかそれが音だけで分かるのです。
何よりも顕著だったのは静真高校の講堂での部活動発表、ホテルオハラのホール、密閉され音が反響するようにされている場所での"音の響き方"それが全く違うのです。
目を閉じていても「あっ今こんな感じのところでこんなことしてるんだな」と分かる
そんな環境音は初めてです。
ですがこのULITRA上映の1番凄いところは酒井監督と長崎音響監督が調整しただけあってイタズラに「最高音質にしてる」わけではないことです。
沼津に行ったことがあるという方は少し思い浮かべてください
ラクーン沼津屋上での風の音
三津浜の波のさざめき
仲見世通りの喧噪、車の行き交う音
想像できましたか?
そう幕張新都心で上映されていたULITRAは全てあの日沼津に行った時感じた音そのままのイメージなのです。
アニメに演劇や舞台のことを繋げるのは無粋かもしれませんが、舞台装置として舞台のセット、照明音響は密接に繋がっています。
自分は高校演劇で舞台監督をやっていたのですが、舞台セットの汚し*1
についてよく恩師に
「こんなんじゃ嘘っぽい。もっと人が生きてたらどこが汚れるか、野ざらしになっていたらどこが錆びるかよく考えろ」と何度も言われたものです。
そう舞台セットでも音響でも物語の中においてなにか嘘っぽいところがあれば、そこで演技する役者を「生きている」とは見てくださる方々は感じてくれないのです。
ラブライブ!サンシャイン!!においての舞台セットは言うまでもなくこの作品の魅力の1つでもある繊細にリアルに描かれた沼津の風景ですね。
1つ1つ長い時間をかけて描かれた沼津市、内浦の風景。
これによって視聴者はよりAqoursの皆んなを小さな港町で夢を追いかける1人の少女達として近くに感じさせる、聖地に行けば
「あそこの角を曲がったら千歌ちゃんがこちらに走ってくるかもしれない」
「あの砂浜で練習してるかもしれない」
と現実に彼女達が存在しているのではないかと思わされる。
酒井監督が語るラブライブ!サンシャイン‼︎において重要な『現実と虚構』その境界線を曖昧にさせてくれる大事な要素の1つです。
そしてその重要な要素の沼津市には沢山のほかの命があるものです。
そう考えるとこの映画を見たときに皆さんが抱いたであろう
「ラブライブ!なのに男めっちゃ出てくるじゃん」
この問いにも少し落とし込めるところが出てきませんか?
今作の劇場版ではあわしまマリンパークの伊藤館長を初めとして、本当にそこに生きる男性が描かれたり、道行くサラリーマンやイタリアイケメンなんかも描かれています。
この男性が出てくるという現象ラブライブ!という作品においてとてつもなく不自然ことです。
が現実において道行くサラリーマン、ベンチに座る男性などどこに行っても見れるものです。(当たり前)
舞台装置の中でモブというのも重要な役割を果たしてるのは言うまでもありません。
今回の映画において酒井監督は
酒井:劇場版では「変化」に対してどう向き合っていくのか、ということを意識しました。沼津のお店や人も景色も、ちょっとずつ変わっていきます。同じようにAqoursもこれから1つ学年を積み重ねます。そうして街も人も自分たちも変わっていくけれど、それらを享受して先に進む、という変化を千歌たちがどう受け止めるのかを、特に意識しました。変化を受け入れて、全部ひっくるめて自分たちの糧にして生きていくことを、劇場版では彼女たち自身の言葉で言っています。この答えをしっかり描くということが、自分の使命だと感じていました。
『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』2月17日舞台挨拶より
こう語られています。
これは僕の勝手な想像ですが、酒井監督はこの劇場版ラブライブ!サンシャイン‼︎という作品の中で永遠ではなく、今を生きて変わっていく人間としてAqoursを存在させるために沢山の舞台美術を駆使されたのでしょう。
その本物にするために使った舞台装置の1つとして敢えてラブライブ!では絶滅したとまで言われ続けた「男性のモブ」というセットを取り入れたのかもしれませんね。
そんなより作品に命を吹き込むために作られている景色。
そして自分は先ほど舞台セットと音響は密接に繋がっていると言いました。
そうこのULITRA体感できる音というのは、この作品に本物を与えるために作られた舞台セットと調和するようにより洗練された舞台美術に昇華されているのです。
忠実に描かれた沼津、そこに生きる等身大の9人の女の子たち。
そんな沼津を彩る音のイメージを崩さない、それどころかよりあのラブライブ!サンシャイン‼︎という作品の中にいる人により生命力を与えている。
そんな風に幕張新都心の劇場版は調整されている少なくとも僕はそう認識させられました。
それにより僕らの中の『現実と虚構の境界線』はより不透明になり人々に、今劇場に来て映画を見てるのではなく、沼津に来ているような感覚にさせてくれます。
実際「今僕は本当に沼津にいて、目の前で女子高生達の生きている姿を見ているんじゃないか」
こんな普段じゃ有り得ないようなことが頭をよぎったのです。
全ての舞台装置がかみ合い沼津という街を形作り僕らは作品の中へ引きずり込まれていました。
確かにTwitterで絶賛されるわけだ…
上映が終わりこれだけは真っ先に確信出来ました。
世の中には人の数だけ物語があります。
高槻かなこさんがかつて口にした「ラブライブ!はスクールアイドル達の物語、ただその中でAqoursが代表で描かれているだけ」(うろ覚えです)
まさにその通りラブライブ!サンシャイン‼︎は沢山の人が生きる静岡県沼津市、そこで自分達と同じように呼吸をし、今を生きて明日に向かう9人の女の子達の小さな物語なんだと。
僕が最後の上映で得た"気づき"です。
3.最後に
改めてこんな素晴らしい映画に出会えたこと、制作に携わってくださった全てのスタッフ、キャストさん、そしてこの素晴らしい映画を最高の場所で観れるようにしてくれた幕張新都心さん。
本当にありがとうございました!
これは最初の方でも言ったのですがこの作品を通して、本当に沢山の人に感謝の気持ちが溢れました。
それなのにその感謝をくれた人達が先に「ありがとう」を伝えてくるのです。
その度に嬉しいけど、歯がゆくて「ちょっと待って僕にも言わせて」そんな気持ちにさせられます。
それに僕はファンでただのオタクで、僕のありがとうはあの人達に届く沢山のありがとうの1つにでしかないのでしょう。
でもこれからも何度も大きな声で沢山の中の1つの"ありがとう"を叫び続けたいです。
届かないかもしれない、でも言わなきゃ伝わることは絶対にないのですから。
それでは同じようにこの作品を愛してくれた皆さん、僕の文章にここまで長々とお付き合いくださった皆さんにも…
ありがとうございました!
あっあと上映終わったら夜が明けてました…(アジアツアー行きたかった)
*1:家や病院等リアルに作る装置において、生活感を出すためにわざとペンキや鉛筆の削りカスで汚すこと