スパボの掬い場

ラブライブ!への大好きを叫ぶ場所。

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悔しさから始まる"私" 【ラブライブ!スーパースター‼︎第12話 感想】

 

いやぁ…ラブライブ!スーパースター‼︎大好きです…… 

澁谷かのんだからこそ、全員1年生のLiella!だからこそ描ける最終話でしたね……

 

そんな最終話の感想はそんなかのんちゃんだからこそ、勝つ意味に迷っていた理由。かのんちゃんだからこそ、悔しさが生まれた理由について。

そして最後に少しだけ、スーパースター‼︎への全体的な感想について語らせていただきました!

最終回も全力で書かせていただきます!

 

勝つ意味

スクールアイドルである理由

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かのん みんなは「優勝だ!勝ったら全国だ!」とか言うんですけど、私は歌で勝ったり負けたりとかあんまり……

でも私、ずっと歌えないかもって不安があったから、自由に表現できるだけでもうそれだけで幸せで……

ラブライブ!スーパースター‼︎12話

ここの感情、僕は納得しかなかったんですよね……

学校の存続問題も資金問題も解決され、スクールアイドルとして勝つ外的要因がなくなっていく中で、かのんちゃんが歌で競争することにノリきれない事、勝つ意味を持ってない事って余りにも自然なんですよ。

 

これと対照的なのが可可ちゃんで、彼女はスクールアイドルへの憧れ、そしてラブライブ!という舞台への強い想いがあるから、確固たるラブライブ!で勝つ理由がある。

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可可 今日だけはファンをやめます!

ラブライブ!スーパースター‼︎12話

それだけの覚悟がこのセリフからも伺えますよね。

 

そしてすみれちゃんも、輝く場所に立ちたいという願いだけではなく、結果を出さなければ帰ってしまう可可ちゃんの事情を知っている。

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すみれ 一応渡しておくわよ。これからも一緒に続けられるように…

ラブライブ!スーパースター‼︎12話

これからもこのLiella!でいたい、その為に勝つ。

 

そんな子達と比べると、かのんちゃんに勝つ理由がないのは当然なんですよ。

 

そもそもかのんちゃんにとってスクールアイドルの始まりは『人前で歌えなかった自分が、唯一歌える場所』だと思ったからなんですよね。

かのん スクールアイドル…ここでなら私も歌えるんだ!

ラブライブ!スーパースター‼︎2話

勿論今は始まりと違って、スクールアイドルに思い入れはあるでしょうが、可可ちゃんのようなスクールアイドルやラブライブ!への圧倒的憧れがあるかと言われると違うんですよね。

だから、スクールアイドルへの向き合い方に勝つ理由は存在してない。

 

そしてかのんちゃんの根本的な"歌う"ってことへの向き合い方に視点を当てても、彼女の中には競争って概念はないんですよね。

 

歌との向き合い方

まず幼い頃歌えていた原点は"楽しかった"から。そしてその想いを世界中に届けようとしたから。

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幼かのん みんなが頑張って練習してこれたのは、歌うことが楽しかったからでしょ?その気持ちで歌っていればきっと伝わる!この楽しい気持ちが世界中のたーくさんの人たちに!だから歌おうたくさんの人たちに!

ラブライブ!スーパースター‼︎11話

ここから成長して、中学生になって掲げた夢の核『みんなを笑顔にすること』、この時点では決して大きな舞台へ行きたいとか、具体的なイメージを伴うものではなかったんですよね。

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かのん 夢は新設された結ヶ丘女子高等学校の音楽科に進み、歌でみんなを笑顔にすることです!

ラブライブ!スーパースター‼︎1話

じゃあ歌の実力を高めることに関してなら、悠奈ちゃんから言われた「競い合うことでより高め合うことが出来る」なら、競い合うという概念を理解できるのでは?とも考えられますよね。

 

でも、これもかのんちゃんには当てはまらないんですよ。

だってかのんちゃんが歌うことを頑張ってこれたのは、ちぃちゃんの姿があったから。

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かのん 私もちぃちゃんのこと見習わなきゃって、真似できないくらい歌えるようにならなきゃって。

ありがとう。あの言葉があったから、私今こうして歌っていられる。

ラブライブ!スーパースター‼︎6話

何かに勝ちたいというモチベーションよりも、ちぃちゃんの姿を見て奮い立ったから"歌うこと"に向き合い努力してきた。

だから悠奈ちゃんから言われた「競い合うことで高め合う」って概念にもピンと来てないんですよ。

 

幼少期からずっと歌うって行為に、スケール的目標があったことはない。

ただ大好きな歌を歌えるだけでよかった、歌を歌う事で誰かが笑顔になってくれるだけでよかった、これが澁谷かのん。

 

歌うという行為とそこから生まれる笑顔、そんな短期目標を永遠と繰り返すのが、かのんちゃんの夢のあり方だったんじゃないかなって。

 

でも今のかのんちゃんはスクールアイドル活動をする中で、もうとっくに勝つための理由を持ってるはずなんですよ。

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かのん 私、恋ちゃんと一緒にスクールアイドルとして歌いたい。

この学校のために…いや、この場所で作られた沢山の想いのために!

ラブライブ!スーパースター‼︎8話

恋ちゃんを勧誘した時に放った言葉。

「沢山の想いのため」これって、結ヶ丘を存続させるだけで達成されるものではないですよね?

そしてこれは、かのんちゃんが満足することではなく、みんなの"想い"が果たされることで果たされる夢ですよね?

 

だからこの夢は"勝つ理由"になるんですよ。かのんちゃんがそれに気づけてなかっただけで。

 

始まる"私"の夢、"みんな"の夢。

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ななみ 私たち1年生だけだからさ、他の部活が大会に出たとしてもすぐ負けちゃうんだよね。

ここの その中でもかのんちゃん達はここまで頑張ってる。

やえ かのんちゃん達はこの学校の希望なんだよ!だから応援させて欲しいの!

ラブライブ!スーパースター‼︎12話

「この学校で生まれた想い」今この瞬間学校のみんなから生まれる想いは『Liella!に勝って欲しい』ですよね。

 

音楽科も普通科も、大会で勝ち進めるほどの力はまだない、だからこそ結ヶ丘のスクールアイドルとして活躍するLiella!は希望の星なんですよね。


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(コード着てるから分かりにくいですけど、リボンからちゃんと音楽科と普通科の子がいるってわかりますね)

かのんちゃんが出したテーマ"星"にそんな意図があったかは分からないですけど、結果的にみんなに『想いを託される星』として、Liella!は東京大会のステージに立ったんですよね。

 

そして負けたことで、みんなの想いが果たされなかったことで、

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ごめんね勝たせてあげられなくて…

みんなが自分達が負けたことで悔しそうにする様を見て、初めて「沢山の想いのため歌う」ってことの意味を知ったと思うんですよね。

そしてそれと向き合えたことが、澁谷かのんの1番の成長だと思うんです。

 

「みんなの想い」って見方によっては、かのんちゃん達に向けられる"期待""悔しさ"の類でそれってかのんちゃんが歌えなくなった理由の一つですよね。

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かのん これで何も聞こえない

ラブライブ!スーパースター‼︎1話

いざって時に歌えないと、みんなを自分をがっかりさせてしまう。そんな苦しさから、自分の歌を好きだって声からすら逃げてたかのんちゃんがいたんですよね。

だから多分1話までのかのんちゃんだったら、みんなの想いに潰れちゃってたと思うんですよ。

でも、


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ありさ 忘れてるよヘッドフォン。

かのん もう大丈夫!

ラブライブ!スーパースター‼︎12話

今のかのんちゃんは、誰かの想いから逃げないんですよね。だからもう、周囲の声を遮るためのヘッドフォンはいらない。

 

この悔しさが生まれるのも、結ヶ丘で良かったと思えたから。歌でみんなを笑顔にしたいって夢を持つ、澁谷かのんだから。

Liella!のために力を貸してくれたみんな、そんなみんなのために歌いたいって思ったから、そこから生まれる申し訳なさ悔しさから、目を背けることなんて出来ないんですよ。

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かのん ちぃちゃん。私…悔しい…

折角みんなが協力してくれたのに、何もお返し出来なかった…!みんなが協力してくれたのに、何も返せずお終いになっちゃった!!

ラブライブ!スーパースター‼︎12話

それこそ、かのんちゃんが自分の夢を真に理解した瞬間でもあると思うんです。

「みんなを笑顔にしたい」そんな夢と向き合う為にはきっと、そういう類の悔しさとも向き合わなきゃいけない。

 

自分達が歌って結果を出すことで"笑顔"になってくれる人がいる。

でも歌う事で結果を出せなければ、誰かをがっかりさせてしまうこともある。

誰かの笑顔のため歌う澁谷かのんは、そこから生まれる悔しさから逃げる事は出来ないんです。(この誰かのために歌うこと、そこから生まれる悔しさをLiella!よりも先の領域で知ってたサニパだからこそ「ラブライブ!のステージに立てばわかる」って言えるんですよね。)

 

かのんちゃんの夢は、ただ歌えるだけで完結出来る夢ではない。

敗北したことで見つけた悔しさから『私の夢は、みんなの夢を叶えなければ叶わない夢』だということに気づけたんじゃないかなって。

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かのん 私!勝ちたい!勝って、ここにいるみんなを"笑顔"にしたい!

やった!ってみんなで喜びたい!私たちの歌で、Liella!の歌で、結ヶ丘の歌で優勝したい!

いやっ……優勝しよう!!

だからこの瞬間に、みんなを笑顔にしたいって「私の夢」と、結ヶ丘の歌で優勝って『みんなの夢』が始まったんですね。

 

最後に-スーパースター大好きになったなぁって話

ここまでお付き合いくださりありがとうございます!

ここからはラブライブ!スーパースターに対する個人的な感情を書かせていただきます!

 

正直な話すると、アニガサキの時と違って最初は毎週感想書く気はなかったんですよね。(だから2話の感想がない)(9話は単純に書けなかった)

それが蓋を開けてみたらほぼ毎週感想書いちゃってる!!

いやっ別に書くぞ!って気持ちで書いたんじゃなくて、スーパースター‼︎って物語に、澁谷かのんに触れてたら自然に『これを記事にしたい!』って気持ちにさせられてたんですよね。

 

勿論めちゃくちゃラブライブ!な作品だから見てたってのも理由の一つです。

てか基本的にサンシャイン‼︎以降の作品は全部、始まりはラブライブ!シリーズだから」で見てますね。

でもブランド力だけで一貫して見続けられるわけじゃないんですよ。

 

この物語にはたしかに澁谷かのんがいて、Liella!がいて、澁谷かのんだからこそ生まれる悔しさがあった。

だからいつの間にかラブライブ!だからじゃなくて、この瞬間に生きてる女の子達を見届けたい』って思いで追いかけるようになってて、毎回そんな出会いをさせてくれるのが"ラブライブ!の力"なんだなって、改めて実感させられましたね。

 

で僕にとってはそれが何よりも大事なんですよ。

 

ラブライブ!スーパースター‼︎って結構μ'sやAqoursをリスペクトしてるような描写や演出があって、それも踏まえてめちゃくちゃラブライブ!な作品だったと思うんですよね。

 

シリーズファンであれば「悔しさ」「勝つ理由」ってテーマも、より『知ってる概念』として受け取ったと思います。

それを悪く言ってしまえば焼き直し、リメイクとも表現できるかもしれませんね。

でも僕はそれでいいと思えるんです。

 

多分世の中に同じようなこと伝えてる物語や歌って沢山あるんですよ。(数百年とか遡れば、もっと似てるなって思う作品はあるかもしれない。)

 

でも同じような作品は何一つなくて、似たようなことを形を変えて伝えようとしている。

それは、その瞬間に生きる人達に出会うためだからなんじゃないかなって。

 

スーパースター‼︎ってNHKのゴールデンタイムで放送されていたことからも、このアニメはきっと子供達も含めて多くの、今この瞬間に生きる人々に届いたはずです。

 

そんな瞬間と出会い続ける為に、物語や歌って形を変えて似たようなこと伝え続けてるんだと思うんです。

作品から受け取ったことが、今を生きる人達が明日と向き合う為の大きな勇気になるかもしれないし、支えになるかもしれないし、ならないかもしれない。

 

それは受け取る人次第だけど一つだけ確かなのは、今生きてるあなたと同じように、青春という瞬間を生きる等身大の少女達が会いに来てくれる物語ラブライブ!なんだろうなって。

 

で僕はそんな、いつだって少女達の青春を通じて伝えようとする物語が大好きで、出会い続けたいんだってスーパースター‼︎と向き合って改めて思いましたね。

 

そんなLiella!の物語とまた出会えることを願いながら、感想記事はここらで締めさせていただきます!

 

皆さんまた物語と一緒に会いましょう!それでは!