スパボの掬い場

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情熱は灯り、走り出す2つの物語。ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 1話『はじまりのトキメキ』感想

皆さん連日おはこんばんにちは、スパボです。

 

いやぁ……とうとう始まりましたね……皆さん見ました??アニメ、ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

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そう「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」……タイトルくそなげぇ……(最初アニメ化の際にはタイトルは変えてくるかと思ってたら違った。)

 

ネタバレを大分含んでいるので、まだ見てないよーという人は、ブラウザバックして10回は見て戻ってきてください。

 

2017東京ゲームショーでキャストさんが発表されてから3年……元はアニメ化の予定がなかった物語が、とうとうアニメになったこと、ここに至るまでのキャストさん達の歩みが、叶えた大きな夢が、形として僕らの前にやってきたこと、やっぱりすごく嬉しいです。

 

スクフェス出身組の3人に至っては、Aqoursと会う前に既に出会っていたのですから、とうとう動いたね……と言ってしまいたくなりそうです。(君たちが動くまでに、僕は中学生から大学生になっちゃったよ……)

 

さて、そんな待ちに待った虹ヶ咲のアニメを見て、筆者は何を思ったかと思えば……めちゃくちゃ心が熱くなっています。

初めて触れたラブライブ!がアニメだったからなのか、自分がアニメ好きだからなのかは分かりませんが、やはりアニメで描かれるスクールアイドルの物語を見ると、とてつもなくドギドキして、心がじんわり熱くなります。

 

そこに10ヶ月近く、アニメへの期待や不安やら募らせていたこと、自分の期待以上の1話が見れたことで、もう気持ちは大爆発してるわけです。(100点満点で点数を与えるなら100兆点の1話でした。)

 

そんな熱に任せ、ラブライブ主人公よろしく、勢いで筆を取った所存でございます。

 

というわけで、いつもより熱に任せつらつらと、感想を並べていきます、どうか最後までお付き合いください。

 

・鮮明になった高咲侑

 

物語はショッピングをしながら、イチャコラする幼なじみ2人の日常から始まります。昔の話をしたり、授業の話をしたり、冗談交えたり、買い食いしたり、この何気ない光景が、高咲侑ちゃんと上原歩夢ちゃんは、普通の女子高生なんだと強く印象付けてくれます。

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そんないつも通りの日常の中で「トキメキが足りない」「いまいち」と、どこか納得のいかない様子の侑ちゃん。日常に不満があるわけではないが、どこか心が燻っている。その姿は前作主人公の、高海千歌ちゃんと重なるところがあります。

 

そんないつもの通りの日常に響く歓声、それに導かれた先で、彼女はスクールアイドル優木せつ菜に出会います。

 

この出会いのCHASE!は、もうまさにこれだ!!としか言いようがないし、こんなんに出会ったらこれだ!と思っちゃいます……

熱を感じてしまうほどの圧倒的パフォーマンス、真っ直ぐに、自分自身の熱い気持ちをぶつけてくる優木せつ菜、そんなもの見せられたら、心が熱くならないわけがないし、ときめかない訳がないです。

 

その後しっかりスクールアイドルの動画を見漁り、優木せつ菜のことも詳しく調べ、ときめきをくれた彼女に会おうとする行動力。

情熱に素直に従い、幼なじみの手を取り、進んでいこうとする姿は、やっぱりこの子はラブライブ!の主人公なんだなぁと感じてしまいます。

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しかしせつ菜ちゃんがスクールアイドルを辞め、同好会が廃部になったと聞き、夢を追いかける人を応援したいという願いは、叶わなくなりました。

けれども彼女は、どこか落ち着いています。

 

勿論侑ちゃんの願いは、スクールアイドルがいなければ成り立たないものです。とはいえそれが叶わないと知ったら、あれだけ燃えていた情熱を忘れるかのように、物語冒頭に見た、歩夢ちゃんとの普通な日常に戻っていこうとする潔さ。

 

そして夢を持ってないのに、夢は追いかけることは難しいんじゃないかと、どこかで理解している冷静さ。

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そんなところに、ラブライブ!の主人公らしさとは別に、高咲侑という人間らしさも感じます。

 

僕は最初、高咲侑ちゃんのことを、9人の物語を見届け、支える存在という、役割を持つものとして認識していたし、実際"あなたの名前を教えて!"企画の時は、そんな意図を込めた名前を送りました。

 

しかし名前が決まり、時間が流れていくにつれ、僕の中で高咲侑ちゃんという子が徐々に鮮明になり、そしてこの1話目で確かな形になりました。

 

彼女は確かにあの世界で生きてきたのです。大切な幼なじみと普通の日常を生き、その中で突然スクールアイドルと出会った。

この物語に彼女がいる役割とか、意図とかそんなものはない

 

あるのはただ、スクールアイドルという存在に出会い魅せられた。そしてそこから生まれる思いがあったこと。

 

夢を追いかける人を、スクールアイドルを応援したい。それは、今までスクールアイドルに魅せられてきた子達が、取ってきた選択とは形が違ったかもしれない。

けどその根本にあるものは何も変わらない、何よりも大切な、始まりのときめきがあるのです。

 

上原歩夢の好きと、2つの始まり。

 

そんな侑ちゃんと対象的に、歩夢ちゃんは冒頭から好きや、情熱に対して控えめ、というか照れ屋な部分が多く見られるように思います。

 

可愛い服が似合うと言われた時、ピンクが好きだった事を指摘された時は「小学生の時の話」「もう卒業だよ」と否定したり、せつ菜ちゃんのステージを見た後、蒸気機関のように語る侑ちゃんとは反対に、控えめな反応。

その姿は自分の好きに、どこか自信が持てずにいるようにも感じます。

 

ですが、自分の好きなことに自信をなくしてしまうのは、なにもおかしなことではありません。

それは誰にでも、いつやってきたかも分からないくらいに、自然に起こる、一種の病のようなものです。

 

昔好きだった可愛い服、色、それをずっと好きなままでいられること、それは素晴らしいことだと思います。

けれど大人になっていくにつれて、趣味嗜好が変わっていく人は周りに沢山いる、好きがそのまま好きであり続けるなんて確証はありません。

 

その中で「周りの人はもうこれを好きだと言ってない」「もしかして自分の好きは子供っぽい?おかしい?」なんて感じてしまうことは不思議ではありません。(そんな周囲の環境や、目を気にするようになるのは、大人になること……なのでしょうか?)

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そうして皆んなの好きが移り変わる中で、取り残されたように感じる人は、自分の好きを隠し始めるのです。好きだけど、それを恥ずかしいものだと思ってしまうから。

 

彼女の恥ずかしがりは至って普通な、けれど中々治らない病です。そして、それは後から生まれる好きにも、影響を与えています。

 

侑ちゃんと同じく、動画を見漁るくらいに魅了されたのに、璃奈ちゃんにスクールアイドル好きなの?と聞かれた時「まだよく分からない」とはぐらかすように答えていたことも、自分の好きに自信が持てなくなっているからこそ、生まれたトキメキに、素直になれずにいるのです。

 

そんな彼女だからこそスクールアイドルに、せつ菜ちゃんに魅了されました。本当は彼女達のように、自分の気持ちを真っ直ぐ伝えられるようになりたい。

 

その憧れはどんどん大きくなり、我慢出来なくなりつつありました。それが彼女の情熱です。そして、そんな歩夢ちゃんの情熱が、今度は侑ちゃんの手を取ります。

 

2人の始まりは間違いなくせつ菜ちゃんとの出会いです。

 

侑ちゃんはスクールアイドルと、真っ直ぐな気持ちを伝えてくれるせつ菜ちゃんと出会い、情熱のまま、歩夢ちゃんの手を取り、日常から飛び出して行こうとしました。

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しかし自分の願いが叶わないと知ると、なんてことなかったかのように、何気ない歩夢ちゃんとの日常に戻ろうとします。そんな侑ちゃんの手を取り、再び始まりをくれたのは歩夢ちゃんです。

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彼女は照れながらも侑ちゃんにぶつけます。自分の素直な気持ちを。

「ピンクとか、可愛い服だって、今でも大好きだし、着てみたいって思う」

 

「自分に素直になりたい」

 

「私はスクールアイドルやってみたい」

 

せつ菜ちゃんのように、経験者じゃないから、圧倒的パフォーマンスもない、燦々と輝くステージじゃない、オーディエンスも侑ちゃんだけ。

それでもまだ小さな勇気を振り絞り、真っ直ぐに気持ちを伝えようとした、その姿勢は間違いなく、せつ菜ちゃんと同じものです

 

昔からの親友にすら、自分の好きなものを見せることはどこか恥ずかしい、そんな彼女がスクールアイドルが好きだ、やりたいと真っ直ぐに伝え、歌って見せた。彼女の好きが詰まったステージは、きっと侑ちゃんにトキメキを与えたはずです。

 

そして、ステージが終わると、恥ずかしさも限界と言わんばかりに、侑ちゃんの元へ戻り、最後の勇気で彼女にあるものを渡します。

 

それは大切な幼なじみが、ときめかないと評したパスケース。

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ピンク色や可愛い洋服、スクールアイドルをやりたいという気持ち、そして侑ちゃんにとって"トキメキが足りない"ものだって、歩夢ちゃんにとって変えようのない"好き"。

どこかで、自分の好きは恥ずかしいと思ってしまう彼女が、まず何よりも大切な幼なじみに、自分の好きを素直に伝えること。それが彼女のスクールアイドルとしての一歩目。

 

そして侑ちゃんは、その幼なじみの思いを優しく受け取り、いつだって歩夢の隣にいると誓います。

誰よりも大切な幼なじみに自分の素直な気持ちを伝えた。誰よりも大切な幼なじみの、気持ちと夢を受け取った。ここからが彼女達、2人の物語の始まりなのです。

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(侑ちゃんに受け取ってもらった歩夢ちゃんの顔、どれだけ嬉しかったのか……一生忘れません)

 

・伝える人、受け取る人。

夢へ進んでいく歩夢ちゃん、夢を追う人を応援したい侑ちゃん。この物語はどちらかが欠けても始まらなかったものですが、その中でも僕は何より大事だなと思う要素があります。

 

それは侑ちゃんの他人の思いに対する姿勢です。

 

歩夢ちゃんが踏み出せたのは、彼女自身のときめきもあるでしょうが、それを真摯に受け止めてくれる侑ちゃんがいたから。

それがなければ、彼女は勇気を出せず踏み出せないままだったでしょう。

 

彼女は始まりの歌で、こんなことを歌っています。

自信持てなくて 俯いてた

そんな私の背中押してくれたね

繋いだ手 その温もりが胸一杯の勇気をくれたから

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 1話挿入歌「Dream with You」

 誰もが侑ちゃんのように、生まれた情熱だけで進んでいけるわけではありません。それを支えてくれるものがいて、初めて踏み出せる人だっています。

 

伝えた先に、"受け止めてくれる人"がいたからこそ、彼女の物語は、いや彼女達の物語は、始まったのだと僕は思います。

 

ライブというものは、演者が様々な試行錯誤をし、自分たちの伝えたいものを、最大限伝えられるものを作れる場所です。

 

しかし、これは何事にも共通することですが、伝える側にどれだけ熱い気持ちがあろうと、創意工夫をしようと、受け取る側に、受け取ろうという意思がなければ、伝えたいものは上手く伝わらないのです。

 

伝える側と違い、受け取る側の選択も受け取り方も自由です。だから自分の思うものと違うと思えば、受け止めようとしなくていいし、曲がった形に受け取る人だっています。

 

それを悪いことだとは思いません。受け入れられない理由も、そう捉えてしまう事情も、世の中には溢れています。

 

だからこそ、その中で侑ちゃんの素直さは、より一層輝きます。

 

せつ菜ちゃんの燃えるような真っ直ぐな思いが、侑ちゃんには燃えたぎるマグマのように見え、心を震わせ、彼女の情熱に火をつけたように。

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そして歩夢ちゃんのステージからは、彼女の隠していた好きと、夢を受け取ったように。

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高咲侑ちゃんは、そこに込められた気持ちを、素直に受け取めることが出来る子なのです。

 

人が伝えようとするもの、全てが自分の好きと同じなんてことはありません。自分の好きとは少し違うこと、興味のないこと、これを受け取ろうとするのはとても難しいことです。

 

そんな世の中で、自分の思いを確かに受け止めてくれる人が、必ず側にいてくれる。これが伝える人にとって、どれだけの勇気を生むか、そんな人との感情のやり取りがどれだけ温かいものか。

 

だから、他人の大好きを素直に受け止められる侑ちゃんの姿は、僕にはとても輝いて見えます。

 

侑ちゃんのイメージカラーの黒は、それ自身が強く発光する色ではありません。しかしどんな波長の光も、吸収しうる色です。

これからどんな色を、光を持った子達がその思いをぶつけてきても、きっと侑ちゃんは受け止めてくれるのでしょう。

 

・最後に

僕は以前のブログで、新しい虹ヶ咲の物語が始まることを、楽しみでありながらも、怖いと言いました。

 

僕自身他人の思いを、素直に受け止められるほど勇気がなく、ついつい自分の中に閉じこもってしまう人間です。

 

だから新しい物語が始まる度、自分の受け入れられないものだったらどうしよう、嫌いになってしまったらどうしよう、いつもそんな臆病な自分がいます。

 

正直ここしばらく、そんな不安から自分の好きなものを素直に好きという方法に戸惑っていました。

 

だからこそ僕の中の期待値なんてあざ笑うかのように突き抜けて、新しいラブライブの物語を見せてくれたこの1話が、まぁめっちゃくちゃ好きなわけです。情熱がまたメラメラ燃えてるのです。

 

そんな思いをさせてくれたこの物語を必ず見届けるし、そんな好きをまた文字を通して、全力で伝えていきたいと思いますし、人の大好きも受け止めてぇなって思います。

 

というわけでここから数ヶ月皆さん全力で楽しんでいきましょう。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

画像出典:TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より