君がいるから、私色。 ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2話『Cutest♡ガール』感想
皆さん1週間ぶりですね。スパボです。
いやぁアニメ虹ヶ咲2話も最高でしたね……毎回毎回僕の予想なんか遥かに超えた物語を叩き付けてくる、ワンダーフォーゲル部に倣って山で例えるなら、高尾山と富士山くらいの差がありますね。アニメ虹ヶ咲ほんと好きです。(まだ2話目だけど)
こうして毎週想像もつかない物語がやってきて、僕らに見せつけてくるの、ほんと楽しいですね……これがときめきってやつなんだ……
さて素晴らしすぎた2話の感想に早速行っちゃいましょう。
・君の大好き、私の可愛い
開始早々なにやら胃薬が欲しくなる場面ですが、十中八九スクールアイドル同好会の廃部に繋がる回想ですね。
息を切らした中須かすみ、そんな後輩へ振り付けのダメ出しをする優木せつ菜、少々休憩を取るべきではないかと進言するメンバー。
本番を前にして、パフォーマンスがうまくいってないような、理想に届いていないような、そんな焦りからせつ菜ちゃんにはピリピリした雰囲気が漂っています。
スクールアイドルが大好きなんでしょ?やりたいんでしょ?こんなパフォーマンスでは、ファンのみんなに、大好きな気持ちは届きませんよ!
TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2話より
"大好きな気持ちを届ける"それがスクールアイドル優木せつ菜において、最もプライオリティーが高いこと。
そんなせつ菜ちゃんに「こんなの全然可愛くないです!」と涙ながら気持ちをぶつけるかすみちゃん。
可愛い、それが中須かすみの思う大切なこと。それぞれが確たるやりたいことあるからこそ、ぶつかり、亀裂を産んでしまいます。
スクールアイドルをやっていてるという大枠は同じでも、それを通して何をしたいか、何が自分の中で偉いのか、それは各々違います。
せつ菜ちゃんにとって、スクールアイドルが大好きという気持ちが彼女を動かすエンジンなら、かすみちゃんを動かすのは、可愛いくあろうとすることでしょうか?
スクールアイドルへの大好き、という気持ちはやっている以上少なからずあるでしょうが、それがかすみちゃんの中で一番と言うわけではありません。
かすみちゃんは侑ちゃんに、一番大切にしたいものがあって、スクールアイドルをやっていると語っています。
スクールアイドルへの思いがあっても、そのやりたい事が出来ないまま、スクールアイドルをやるかと言ったら別になるかもしれません。
僕もブログ書くのは好きですが、その根本にはラブライブ!への大好きを語ることがあって、それが出来ないなら書いてないので、かすみちゃんの気持ちは理解できます。
結局なにをやってても、自分の一番やりたい形でやっている時が一番楽しいし、輝いてると思います。それが"らしさ"でしょうか。
どちらの思いや、在り方が正しいとかはありません。他人にとってどうだろうと、自分にとって大切なら、それ以上に正しいことなんてないでしょう。
・君の可愛い、私の可愛い
そんなすれ違いもあり、廃部になってしまったスクールアイドル同好会。
それでも諦めず、1人でも同好会を存続させようと、奮闘するかすみちゃんと、スクールアイドルになる方法で悩んでいた侑ちゃんと歩夢ちゃんは運命的?な出会いをします。
2人を同好会へと勧誘するかすみちゃんを、侑ちゃんは「こんなに可愛くて、料理もできるんだ!」「誰が見たって可愛いよ」と刺されても、文句を言えないほど褒めちぎります。(可愛いを連呼されてデレデレのチョロかすみんも可愛い)
そんな二人のやりとりに戸惑ったり、かすみちゃんの「最強に"可愛い"スクールアイドル同好会にしてみせます!」という誘い文句に、それなら入ろうかなと示す歩夢ちゃん。
応援してくれる侑ちゃんが、かすみちゃんに惹きつけられる所を見て、可愛いに興味が湧いてるのでしょうか?
歩夢ちゃんの応援してくれる人の目を気にする姿は、「スクールアイドルにとって、応援してくれる人は一番大切」と語るかすみちゃんの心意気と似ているように思います。
ただ歩夢ちゃんには、かすみちゃんの可愛いはしっくりきてない様子。
やっほ〜みんなのアイドルかすみんだよ〜
かすみん〜虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部長になったんだけど〜そんな大役務まるかとってもふあ〜ん
でも〜応援してくれるみんなの為に〜日本一可愛いスクールアイドル目指して、頑張るよ♡
TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2話より
「……は?」と辛辣な反応の歩夢ちゃん(君そんな声出たんだな)と対照的に侑ちゃんは「ときめいたよ!!」と好反応。
スクールアイドルの手本として、かすみちゃんの可愛いを見た歩夢ちゃんと、かすみちゃんの可愛いを最大限伝える姿を受け止めた侑ちゃんという、立ち位置の違いが出ているのでしょうか?
しかし、しっくり来ないながらも、かすみちゃんとの特訓の翌日も歩夢ちゃんは1人、可愛いの練習を続けています。
そんな秘密の特訓を偶々?見た果林さんのアドバイスに、頭では分かっているんですけど、と答える歩夢ちゃんは印象的です。
(なに……この可愛い生き物???好きになっちゃうが?いやもうなってる。)
この姿を見てると、歩夢ちゃんは可愛いを、スクールアイドルの表現の一つとして見てるように感じます。
可愛い、可愛くあることが全てのかすみちゃんと、表現の一つの歩夢ちゃん、冒頭2人の関係と似てますね。
同時に、自分と合ってないと客観的に見れているけど、まずスクールアイドルの先輩が教授したくれたことを試してみる、彼女の素直さ、堅実さが現れているようで好きです。
そんな彼女だからこそ、自分を応援してくれると誓った時の、幼じみのことを思い出したのでしょう。
"真っ直ぐ自分の気持ちを伝えられる"スクールアイドルはなんて素敵だろう、私もそんな風になりたい。そんな気持ちを伝えたから、侑ちゃんは手を取ってくれました。
自分の色なんて探すまでもなく、始まった時から既に持っているのです。
歩夢ちゃんが見せた自己紹介は、あの日のように、真っ直ぐな言葉で、まだまだ未熟な自分のことを紡いでいくこと。
その中で昔好きだったもの、かすみちゃんに教わった可愛さ、それを歩夢ちゃんなりに見せる姿は、とても彼女らしいです。
・侑ちゃんのときめく
そんな自己紹介に「すごく可愛い!!ときめいちゃった!!」と伝える侑ちゃん。
かすみちゃんに教わった、"可愛い"を披露していた時も、期待の眼差しを向けていましたし、可愛いと思っていたでしょうが、ときめいた!と伝える描写はありませんでした。
ですが最後の自己紹介には、はっきりと、ときめいた!と告げます。
それぞれのやりたいこと、"らしさ"を貫いてる瞬間にこそ、彼女のときめきが舞い降りるのでしょうか?
だからこそ、彼女はすれ違った二人の在り方を、否定しなかったのかもしれません。
かすみちゃんから、廃部になってしまったきっかけを聞いた時も、「かすみちゃんも、せつ菜ちゃんも、ファンに届けたいものがあるんだね」とだけ告げます。
僕はこの侑ちゃんの姿勢が好きです。
彼女は盲目なくらいスクールアイドルが好きですが、スクールアイドルを通して、なにをしたいか、どんなことを形にするか、それについて言及することはありません。
やっぱり難しいのかな夢追いかけるのって
アイドルやるってそういうことでしょ?
TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園アイドル同好会1話より
スクールアイドルそのものが大好きだけど、それは夢を追いかける手段でもあるという認識もしている。
可愛いとかっこいい、大好きと手段、形の違う在り方に、決して優劣をつけず、ただそこに込められた、届けたいという願いにだけ寄り添いました。
結果的にですが、2人が自分のやりたいことを貫き、同好会がバラバラになったからこそ、せつ菜ちゃんだけのライブに出会い、侑ちゃんはスクールアイドルにときめきました。
すれ違いはしたものの、せつ菜ちゃんも、かすみちゃんも共通して、"ファンに届けること"に真剣で、だからこそ知らぬうちに、それぞれが信じる、届けたい形を人に押し付けてしまった。
でも、2人が貫いたものが、侑ちゃんをときめかせたことも事実、侑ちゃんといる"今"こそ別々の在り方も、届けようとすることも間違っていなかったことを示してくれます。
「各々のやりたいことがあった結果なのだから仕方ない」という言葉だけなら、どこか投げやりな、他人行儀な風に見えてしまうかもしれません。
でも侑ちゃんはちゃんと知っている。色んな形のスクールアイドルがいて、皆んな思いはバラバラだろうけど、皆んなキラキラしてる。そんな風に感じれる彼女だからこそ、自分なりの一番をそれぞれ叶えるやり方も、きっとあるんじゃないかと、希望も見れる。
誰もが好きなことを、自分の好きな形で、目一杯やれる。そんな姿に自分がときめくからこそ、それが楽しいと心から信じているのでしょう。
・色々が溢れる世界
世界で一番のワンダーランド。
そんな場所に行けると思っていたのに……
TVアニメ ラブライブ!スクールアイドル同好会虹ヶ咲学園1話より
冒頭のモノローグで、かすみちゃんが語った言葉。
そんな場所が、スクールアイドルなら見出せると思ったのでしょうか?
そして侑ちゃんと歩夢ちゃんの出会いを経て、色んなかっこいいも可愛いも、一緒にいられる場所。それを世界で一番のワンダーランドと評しました。
自己紹介の前にも、人が一杯いた方が自分が引き立つ、と語っていますし、どんなに素敵な同好会でも、世界一可愛いのはかすみんであると言い切ります。
別の色があるから、かすみちゃんの可愛いも在り方も、オンリーワンの煌めきであるし、一番というものになり得る。誰かの色があるから、自分だけの色が見える。
彼女は誰より、皆んなが自分の色を持っていることを、その中で一番可愛くあり続けることを望んでいます。
やりたいことを押し付けられ、押し付けたこと、皆んながバラバラになり一人になってしまったこと。
これはかすみちゃんが望んでいたことと、一番乖離する形になってしまっていたでしょう。
かすみんには一番大切にしたいものがあって
だからスクールアイドルがやりたくて
それはきっとみんなもそうなんですけど
やりたいことはやりたいんです
けど人にやりたいことを押し付けるのは嫌なんですよ
なのにかすみん歩夢先輩にそれをしちゃって……
TVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2話より
そんな時に現れた、自分の押し付けたことを越えて、自分らしさを見せてくれた歩夢ちゃん、自分なりの一番を叶える方法はあるはずだと言ってくれた侑ちゃん。
そんな歩夢ちゃんにだからこそ「どんなに素敵な同好会になっても」と言い放てたし、侑ちゃんにも「先輩見ててください!」と自信を持っていえた。
2人の姿勢が自分自身の在り方を、肯定してくれたように思えて、嬉しかったのかもしれません。
でも他人の色をよしとするのはそれだけではないでしょう。
自分の色、自分らしくあることがどんなに素晴らしいことで、それを知ってても、他人のらしさを見続けていれば、それが揺らぐことだってあります。
誰かといれば、他人の輝きを、キラキラのイルミネーションみたいなあの子と比べて、自分との差を知ることは足りない部分を知ること。それはどう考えたって苦しいこと。
「努力しても追いつけないのかな」
『ううん!弱気で凹んでちゃダメ』
「私にだってできるはずなのにな」
『超絶 誰より イチバンだもん』この世界中でたった一人だけの私を
もっと好きになってあげたい虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会single 無敵級ビリーバーより
誰かと比べ、自分より優れてる部分を見て、俯くことがあっても、自分自身が一番であろうとする、自分を信じ続ける。その難しさを知っても彼女は貫こうとする。
だからこそ中須かすみは、みんなのやりたいこと、それぞれの色を良しとできる。
傷ついた分だけ優しくなれる人は、世界で一番優しい人って誰かが歌ったけど、彼女はきっとそうだと思います。
(他者のあり方に触れて自信を無くしまくっているだけの身からしたら、その姿は少し眩しすぎます。)
誰に許されるものでもない、自分の思うままやりたいことをやって、自分を貫く、"らしさ"という色が溢れる場所。
そんな中で、世界一可愛いかすみんでいること。
めちゃくちゃ素敵で、彼女だから望める、世界で一番のワンダーランドなのでしょう。
そして次回まさかの推し回。
生き残れたら皆さんまた来週お会いしましょう。