スパボの掬い場

ラブライブ!への大好きを叫ぶ場所。

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虹ヶ咲の空と、星の話。青い空に宇宙を見た少女。

皆さんこんにちは、スパボです。

ふと、DIVE!の話がしたいと思ったんです。

 

皆さんご存知ないかもしれないですが、僕は優木せつ菜ちゃんが大好きなんですよ。そんな大好きな彼女が歌うDIVE!にボコられてる時に、ふと生まれた思いがあるんです。

それを吐き出してから3rdライブに向かいたいと思い立ち、これを書いてます。

 

今回DIVE!から始まり、フィーチャーしていくのは、宇宙と空、二つのそらについてです。

少し長くなるかもしれませんが、是非最後までお付き合いください。

 

 

①果てない宇宙

▲せつ菜の空

さてまずこのお話をするにはアニメ虹ヶ咲における、優木せつ菜という少女のことを振り返っていきましょう。

 

アニガサキの始まりといえば、この物語のW主人公とも言える存在、高咲侑と上原歩夢が、優木せつ菜のライブに出会うシーン。

 

いつも通りの日常を生きる2人の少女が、1人のスクールアイドルと出会い、物語が始まる。

それを描写するのに、優木せつ菜というスクールアイドルとCHASE!以上に、適切な存在はいなかったでしょう。(ワイトもそう思います)

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リリース当時から圧倒的支持を集めるCHASE!を、進化し続けるCGによるド派手なお披露目でスクールアイドルとは、優木せつ菜とはを深く刻み込んでくる。

主人公の"出会いの衝撃"は、アニガサキから虹ヶ咲に触れた方々にも十分伝わったはずです。(僕にも伝わった)

 

ですが、そんな始まりにあるスクールアイドルは、突如姿を消します。

 

そんな優木せつ菜、と名乗りスクールアイドルをしていた中川菜々という1人の少女。

親から漫画やアニメの類を禁止された少女が、両親から隠れ、スクールアイドルになるために作られた姿、それが優木せつ菜でした。

 

そうして自分の大好きを隠してきた、大好きを叫ぶため生まれた優木せつ菜が、自身の大好きを押し付けることで、誰かの大好きを傷つける。

それによって菜々は心の奥底に、せつ菜を封印してしまいます。

菜々 大好きを叫びたかった私が他の人の大好きを傷つけた。

私がなりたい自分は、こんなのじゃなかった。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3話より

(そんなこと言わないでくれ……)

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そんな菜々が嫌ってしまった、せつ菜を許せる程の言葉を持ってきたのは、自身が幕引き、最後の我儘としたライブに見惚れた高咲侑でしたね。

 

そして、自身を許せる言葉を貰った、彼女が始まりの歌と称したのがDIVE!ですね。最高。

そんなDIVE!の中で、僕が取り分け気に入っている歌詞があります。

無限に広がる宇宙(そら) 迷わず進もう

DIVE! 優木せつ菜

僕はこのそらを宇宙と表現する技法、めちゃくちゃ好きなんです……

 

DIVE!のMV内で広大な海と、そらが描写されますが、当然そこに見える"そら"は青い空の方。

でもこの青い空は、その先の宇宙に繋がっているし、彼女が見る空は宇宙であるとも言える。

 

以前のブログにも記述しましたが、空と宇宙の境界とは曖昧なものです。

NASA、米国空軍、学者、それぞれが定義する宇宙と空の境界は全く違う。80kmとも、100kmともいうし、10000kmだったりもする。

 そういった、空と宇宙の境界を作るのは人なのです。

 

果てしない、空に高さという概念を設けないことで、それは無限に続く宇宙と繋がっている。

自らセーブをかけ、封印していた心を解き放った、彼女にぴったりのフレーズだと感じます。

 

青い空は真っ暗な宇宙に繋がっている。そう思うと、このせつ菜ちゃんの黒髪を彩る青のメッシュは、青い空の部分で、黒は広大な宇宙そのものにも見えて来ますね。

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▲空を彩る思い

ですが僕は一つ疑問に思ったのです。

それは「なぜ彼女はこんな青空のステージで、宇宙を想起できたのか」と言うこと。

 

多くの人にとって自身の頭上にある空が、宇宙と繋がっていると最も強く感じる瞬間は、太陽が沈み、夜空に浮かぶ星々が瞬き始めた時ではないでしょか?

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普段は太陽に邪魔され、見ることが叶わないそれらが、僕らの見る空の先に宇宙があるのだと感じさせてくれる。(そして夜という1日の区切りがあるからこそ、我々に明日がやってくることも教えてくれる。夜は僕らの世界に、その先があることを教えてくれる時間とも考えられます。)

 

実際、DIVE!のmv内でも、柵に星が舞う描写が描かれたり、衣装のイヤリングも星の形をしてたりと、星が宇宙を想起させるものとしての立ち位置にあると考えられます。

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とすれば、星とするものさえあれば、彼女の空の先に、宇宙があると思えるのではないでしょうか?

 

そして我々は、プラネタリウムなどといった、人工的に作られる星の輝きを通して、どんな時でも宇宙を望むことが出来ますね。

人は自ら星を作り出せるのです。

 

なら、この晴れ渡る空で、彼女が果てしない宇宙を想起するのにも、星を自ら作り出せばいいのです。

それを考えるのにも、DIVE!のMVの描写に触れていくべきでしょう。

 

DIVE!のmvは、他のmvと比べても、彼女の心象風景が強く現れたような世界が広がっています。

最初はどこまでも広がる空と海、と思ったら海底に潜るせつ菜の描写と共に、海中に沈んだステージ。

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そしてまさしく3話を象徴するような歌詞から、Aメロが始まりますね。

自信なくして ただ
心に鍵かけて
響く自分の声に 耳塞いでた

DIVE! 優木せつ菜

心に鍵をかけ、目を背けていた自分、それはきっと心の最も深い部分に、自分を閉じ込めてしまうような行為だと思います。

ならば海の奥深くで出会うもう一人の彼女こそ、心に鍵を掛けて閉じ込めてしまった、優木せつ菜でしょう。

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そんな一度は拒絶した自分自身を受け入れることで、彼女の空が開けていく。

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この海を通して起こるさまざまな事情は、彼女の心象風景そのものだと考えられますね。

 

ならば心の中で噴出する炎、これが彼女の心を燃やす、一度は消しかけてしまった情熱の類ではないでしょうか?

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そしてそんな情熱に炙られ、水面から浮き上がった水滴は、彼女の心から生まれた気持ちの類を可視化したもの、と言えるのではないでしょうか?

 

ならばこの青い空に、無数に浮かぶ彼女の心から生まれた思い、これが彼女のそらを彩る星になり得るはず。

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彼女の心が生んだ無数の思い、閉じ込めてしまっていた思いの類、そんな可視化された思いが、星として宇宙を思わせ、この空に果てはないのだと教えてくれる。

生まれた思いが 明日へと導くよ

DIVE! 優木せつ菜

自身の心の情熱や大好き、そんな思いが自身の明日を教えてくれる。まさしく思いとは、空を彩る星の役目を果たしているのです。

 

このMVは彼女が作った、果てない宇宙を思わせる、プラネタリウムだったのだと僕は思います。

②僕の目には君の目には

 

▲それぞれの万華鏡

さて、ここまではせつ菜ちゃんの空を彩った星、について話させていただきました。

ここで終わ……らないんですよね。今回は欲張って、それぞれが持つ“空”についても触れさせていただきます。

 

3話では心から生まれてきた想いが、キラキラとそらを彩り、せつ菜ちゃんの世界を輝かせました。

しかし世界そのものが劇的に変わったのか、と言われたら、きっとそうではありませんね。

正確に言えば、変わったのは世界を見る自分自身でしょう。

 

人は、菜々ちゃんの掛けている眼鏡のように、自身の中に作られたフィルターを通して、世界を見ています。

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勿論それは物体的なものではなく、それぞれの心や感覚が作るものであり、そのフィルターの作りが変われば、世界も色を変えていくはずです。

 

そのフィルターを例えるのにぴったりな言葉が、別の彼女の歌にあると僕は考えます。

彩り鮮やかな万華鏡
この世界があまりにも眩しくて愛しい

LIKE IT! LOVE IT! 優木せつ菜

万華鏡といえば、鏡と筒そして中に詰めたビーズ等で作られた、差し込む光で彩り鮮やかな世界を楽しむ玩具ですね。

因みにこの万華鏡、明治時代頃の日本では、百色眼鏡という名前で知られていたそうです。

 

掛けているその人だけの、色とりどりの空を見せてくれる不思議な眼鏡。

一人一人が世界を見るために持っているフィルターとして、万華鏡と当てはめるの僕はめちゃくちゃ好きです。

 

そう思うとDIVE!で空に浮かぶ星、せつ菜ちゃんの思いは、彼女の万華鏡を彩るオブジェクトの役割とも捉えられますね。

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そしてこの心の万華鏡は、虹ヶ咲のみんなも当然持っているものです。

ソロ曲のmvを見ていただければ、それぞれが空を見るための、オブジェクトと出来そうなものが沢山浮かんでますよね。

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(全部載せると大変なので一例です)

このそれぞれが心に持つ万華鏡は、自身だけが認識出来る感覚的なもの、クオリアと言ってもいいでしょう。

クオリアとは感覚質、その人にしか分からないこと、その人だけが知覚出来ることを指しています。

例えば僕が空を見て感じた青さと、今これを見てくださってるあなたが感じる青さが、同じということは決して証明出来ません。)

 

それぞれが世界を見るためのフィルターを持っているから、同じ空の下に生きているのに、それぞれが見る空はきっと違っているはずです。

今日の青い空は昨日と違う
明日の青い空今日と違う
君の目には 僕の目には…
ああ言葉にならない

NEO SKY, NEO MAP! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

アニメedで歌われるNEO SKY, NEO MAP!で歌われる、青い空の違いは、まさにそれではないでしょうか?

(勿論空は大気の透明度によって昨日と青さを変えたりしますが……)

先程述べた通り、自身の万華鏡を作りあげる、思いや感覚が変わることで、世界は色を変えるのです。

 

そしてその僕と君の目に映る、青い空の違いも、きっと違って、その違いは言葉には出来ないでしょう。(違って見えるかどうかも、人それぞれのはず。)

 

それぞれの空が、日々移り変わる思いによって変わっていくことも、決して共有出来ないもののはずです。

しかし、そんな見えない揺れ動く思いや感覚を、少しでも伝えようと試みることは出来ます。

 

それが言葉であり、歌ではないでしょうか?

虹ヶ咲のソロ楽曲は、しばし固有結界と騒がれるほど、一人一人の特色が強く描かれていますね。

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この何にも干渉されないほど、強く個性が出たようなステージこそ、彼女達のやりたいことや思いが可視化されたものだと思います。

 

そして、感覚や思いという見えないものを飾りつけ、他人にも見えるようにする行為こそ"表現"とするなら、彼女達にとってのそれは、スクールアイドル活動と言えるのではないでしょうか?

 

▲色とりどりの輝き

ここでもう一つ疑問に浮かぶのは、ならばそんな彼女達の表現は、どのように他者から認識されているのかな?ということです。

 

カッコいい?可愛い?セクシー?そんなそれぞれが表現した感覚は、劇中では輝きや色として表現され、僕らの視覚に飛び込んできたはずです。

僕らが彼女達のイメージを、色として表す行為そのものですね。

 

そんな彼女達の色を、他人から見た姿は、虹や星と表現出来ませんか?

正解も輝きも一つじゃないから 

just like a rainbow colors

VIVID WORLD 朝香果林

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VIVID WORLDでこの歌詞とともに、最後降ってくるのが、メンバーそれぞれの色をした星々というのも印象的ですね。

 

それぞれの色をした星や虹、それらが幾つも連なる光景はまさしく、輝きも一つじゃないそんな風に感じられるのではないでしょうか?

そしてこれら他人から見えた色や輝きは、自身では認識出来ないものでもありますよね。

 

自分がどんな色をしているか、輝いているか、これは他人に言われ初めて認識出来るもののはずです。(星自身が輝いているのか、そもそも星かどうかなのかは、外からしか観測することは出来ないのと同じですね。)

 

現に虹ヶ咲の子達で、星を模した飾りをつけている子達は、彼女達の目にはつかない場所につけられています。

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そして13話で、かすみちゃんに、しずくちゃんから星と月を模したアクセが送られたのも印象的ですね。

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スクスタでは最初からつけていた星を、他人から送られるということ。

そして「似合うと思って」という言葉と共に送られたことで、しずくちゃんから見て、中須かすみという存在はそんな輝きを放っているのだという証に見えます。

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またこれは余談ですが、スクールアイドルフェスティバルのステージには、あらゆる場所に星の装飾がされています。

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そして12話では、こっぺぱん同好会が手がけた「どこでもかすみん」の規模にかすみちゃんがドン引く描写があるとこからも、ステージにはかなりあなた達の手が入ってるものだと考えられます。

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そう考えると、あなた達が手がけたステージは「私たちから見て、同好会の皆んなは星のように見えているんだよ」という表現なのかもしれませんね。

 

まとめ

さてここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

DIVE!から始まり、せつ菜の空に瞬いた星、それぞれの空、そして我々が見る星について語らせていただきました。(後半殆どDIVE!の話してないじゃないか!なんて怒らないでください…!!)

 

 

星とか虹とか、こういう話僕は大好きなんですよ。

凄い抽象的なんですけど、虹って単語の後に「のよう」って付くと、見た情景を虹に例えてるのかなぁって考えたり。

虹を追いかけるって行為は、夢を追う行為のようなものなのかなぁと思ったり。人によっても解釈の幅がたくさんあって、それこそ正解は一つじゃないと思うんですよ。

 

でもこういうのって物凄く感覚的な話ですよね。

 

感覚的なことを伝えたり、分かってもらうって凄く難しいですし、それを理解してもらうことはもっと難しいですよね。

 

自分の空を作ってくれる好きって感覚も、ありがとうって気持ちも、その一言だけで全部伝わればいいけど、そうはいかないから、皆んな歌とか、幾つも言葉を必死に重ねるんだろうなって。

 

そしてそんな自分だけの空を表現する自分が、どんな色なのか、輝いているのかはきっと誰かがいないと分からない。本当にままならないですよね。

でもだから、そこに色んなもの掛けて、本気になれるのかなと。(僕にとっての表現はブログって行為かも)

 

そんな最高の表現を、3rdライブで全力で喰らいたいし、全力で受け止めたいなって思ってます。

そして3rdを経て、また虹ヶ咲の皆んなと、何人ものあなたから新しいものが生まれて、それぞれの空が鮮やかになったら、そんなライブになったらいいなと。(あと無事にやり切ることですね……切実に)

 

さて長くなりましたが、そろそろ筆を置かせていただきます。ここまでお付き合いくださってありがとうございました!